先週の競馬振り返り~日本ダービー~

競馬を愛する皆様。お元気ですか。館山速人です。

さて、やはりというべきか、今年の日本ダービーも盛り上がりましたね。(≧◇≦)

断然一番人気のサートゥルナーリアがまさかの馬券圏外に飛び、勝ったロジャーバローズの単勝配当はダービー歴代2位の高配当という、波乱の結果になりました。

それではそんなダービーを振り返っていきましょう。ヽ(^o^)丿

時計&ラップ

時計 2.22.6

LAP 12.7-10.7-11.4-11.4-11.6-12.0-12.3-12.4-12.2-12.0-11.9-12.0

リオンリオンが後続を離して逃げ、前半1000m57.8というハイラップ。

1000m通過以降11秒台が1Fしかないという平均ラップになりました。

正直、これは予想外でした。過去のダービーでこれだけ後半に11秒台が出ないレースというのはあまり記憶にありません。

例年ならば、中盤に12秒台後半が続き、L4Fが11秒台というイメージなので、それをもとに予想した俺っちにとっては、このラップなら外れるのは致し方ないかなという印象です。

それでは、このラップをもとに個別の馬ごとにレースを振り返っていきましょう。

各馬見解

1着 ロジャーバローズ

この馬に関しては、浜中騎手が抜群に上手く乗った。というのが率直な感想です。ハイラップで逃げるリオンリオンを離れた2番手で追走。3角手前で徐々にリオンリオンとの差を詰めていきます。

ここが2つの意味で大きな勝負の分かれ目だったと思います。

一つは、他馬の意識が後方(おそらくは大方の騎手がサートゥルナーリア)にある間に仕掛けて一定のリードを築けたこと。もう一つはロジャーバローズが持つ「特別に速い脚は使えない代わりにロングスパートが効く持続的な脚」を効果的に発揮できたことです。

二つ目については、改めて振り返ってみると、京都新聞杯でも「(静止状態からいきなり動き出しどうしてもラップは遅くなる)最初の1Fを除き11秒台前半もない代わりに12秒台後半もない平均的なラップ」を逃げて出しているんですよね。この点にはもっと注目すべきだったなと思います。

かくして、4コーナーの時点で十分なリードをとったロジャーバローズは、その「ばてない脚」をゴールまでフルに生かし切り、ダービーの栄冠をつかみました。

後半のラップで速い所と遅い所の差が0.5差しかない美しいラップ構成を見ただけで、浜中騎手がいかにうまく乗ったかがわかる素晴らしい騎乗でした。

さて、ロジャーバローズの今後についてですが、秋は是非菊花賞に向かってほしいと思います。

菊花賞ならば、坂の下りで仕掛ければ加速力不足を補えますし、極端なスローにならない限り持続力勝負になりやすいレースですからね。さらに言えば、この馬が自分から動く限り、「極端なスロー」になることもないですからね。

逆に天皇賞(秋)を目指すというのであれば、個人的には「一銭もいらねぇ」と自信をもって消せます。

東京芝2000mで後半に11秒台前半、ましてや11秒台が全くでないというレースは考えづらく、仮に息の入らない流れになっても、長距離向きの持続力ではなくマイラー寄りのレースができる馬が来ると思われるというのがその理由です。

ですので、この馬の秋に関しては「どのレースを選ぶか」が大変重要になってくると思います。

4着 サートゥルナーリア

本来ならば、着順通りに回顧したいところですが、昨日のレースについてはこの馬から振り返りたいと思います。

結論から言いますと、「怪物ではなかった」というところだと思います。

レースはやや出遅れてやや後方から。4角手前から大外を徐々に進出。直線入り口からすぐは「オッ」と思わせる末脚を見せるものの、残り1Fの地点では脚が上がっているように見えました。

これが、期待値が普通の馬であれば「秋が楽しみだね」ともいえる内容なのですが、ディープインパクトやオルフェーヴルと比較されていた馬と考えるとかなり物足りない内容だと感じました。

過去の「怪物」クラスの馬って「致命的な不利があってもそれを振り払って激走し伝説になった」ということが多々ありました。例えば、エアグルーヴのいちょうS、ディープインパクトの皐月賞、ウオッカの安田記念、オルフェーヴルの阪神大賞典。これらに比較すれば、昨日のサートゥルナーリアの出遅れくらいならば、「怪物と名乗るには乗り越えてほしい壁」だったと思います。

それが結果としては、一度は完全に交わし切ったヴェロックスにも差し返されての4着ですから、言葉を選ばずに言うと「拍子抜けした」というのが正直な感想です。

あと、競馬評論家の須田鷹雄さんがTwitterで「天皇賞(秋)に出てくれば(短期免許の外国人が乗ることも見込んで)アーモンドアイとの馬連1点でいいような」という趣旨のことを呟かれていますが(正確な表現については各自確認してください)、正直、まだその評価が続いているのであれば、天皇賞(秋)は本命にしないレベルではなく、ズバッと切ることになると思います。

使い分けや海外遠征に行く馬を見越してのことかもしれませんが、今の古馬陣はアルアイン、キセキ、ワグネリアン、ダノンプレミアムなど凱旋門賞に行かなそうな馬を挙げてもかなりの強者が揃っています。今のサートゥルナーリアでは、これらの馬をすべて負かすというのは、正直厳しいと思います。

まっ、アーモンドアイとの馬連が20倍つくとかなら押さえるかもしれませんが。(笑)

要は、「世間的な評価ほど俺っちの評価は高くない」というところでしょうか。

ちょっと2頭で長く書き過ぎましたので、この後は簡潔に。

2着 ダノンキングリー

好位追走。ロジャーバローズより仕掛けるタイミングが遅くなってしまったため、最後届かず。

とはいえ、ロジャーバローズと同じタイミングで仕掛けていたら、この馬はゴールまでもたなかったと思うので、レースとしてはやれることはやったというのが率直な感想。

過去には「マイルのハイペース」「マイル(前後)のスローペース」で好走歴があり、今回「中長距離のハイペース」にも対応できたのは、今後を考えると大きい。

どの条件でも安定して走れるので、今後も軸にはしやすい馬かなと思います。(さすがに京都3000mはと言われると、ちょっと違う気がしますが。)

3着 ヴェロックス

中段から。直線はサートゥルナーリアと同じような位置を走り、じりじりと伸びる。

この馬がダノンキングリーの位置を取れれば面白かったと思うのですが、そこは枠順の差が出たというところでしょうか。

ただ、それにしても4角手前でもう少しポジションを取りに行けばよかったのではないかなとも思いました。ここは後ろのサートゥルナーリアを警戒しすぎたという感じかもしれません。

この馬の適正に関しては、、、正直掴みかねているところもあるのですが、加速力よりは持続力を生かすタイプだとは思っています。

何となく、昔よくいた「宝塚記念で初G1」というタイプの馬の様な気がします。メジロライアンとかダンツフレームみたいな感じで。

5着 ニシノデイジー

折り合いを気にしてか、スタート直後の位置取り争いに参加せず。この時点で勝つのは厳しかった気がします。

最後は良く伸びていますが、G1となると折り合いか能力自体にもうワンランクレベルアップが必要かなと思います。

15着 リオンリオン

ペースが速過ぎました。横山典弘騎手が乗っているか、もしくは横山武史騎手自体が過去にこの馬に乗るか、ダービーに騎乗経験があればもう少しうまくペースを調整できたかもしれませんが、こればっかりは致し方ないところでしょう。

ただ、この馬の個性を考えると「スローに落として溜め逃げされる」よりは数百倍いいレースをしてくれたと思うので、そこには満足しています。

ロジャーバローズにとっては適性が似ているこの馬の存在は厄介かもしれません。横山典弘騎手に戻るか、横山武史騎手がこの馬を手のうちに入れると菊花賞でも面白い存在になると思います。

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