(俺は)名馬(だと思う)物語~ファストタテヤマ~
どうも、「ダイワスカーレットを顕彰馬に選べこの野郎会」の副会長、館山速人です。
何ですか、そのけったいな挨拶は?
(けったいなて。。。)いや、この前Twitterで「キタサンブラックが顕彰馬に選ばれないなんて」というのが話題になってたけど、俺っち的にはダイワスカーレットも選ばれていいんちゃうんかと思って。
って言うか、ウオッカもジェンティルドンナ選ばれてるのになんでダイワスカーレットだけ選ばれへんねん!!おかしいやろがい!!
まぁまぁ、館山さん。落ち着いて。
でも、競馬ファンって、それぞれ思い入れがありますから、こういう顕彰馬を選ぶ作業って、絶対に異論とか出てきますよね。
おっ、晴香ちゃんいいこと言うねぇ。そうなんだよ。ダイワスカーレットに関しては、「みんなが認める名馬」だと思うけど、競馬ファンにはそれぞれ「思い入れの強い『自分だけの名馬』」っていうのが必ずいるんだよ。
よし、じゃあ今回から「他の人はどう思うか知ったこっちゃねぇけど、館山速人的には『名馬』と言いたい馬」を紹介するコーナーをやっていくよ。
題して、
「(俺は)名馬(だと思う)物語」!!
これまたけったいなタイトルですね。
館山速人の名前の由来
ところで、第一回はどんな馬を紹介するんですか?
ふっふっふっ。晴香ちゃん。私の「館山速人」という名前を見て何か気づくことはないかい?
?。。。素敵なお名前だと思いますが。
じゃあ、これが下の名前を「ふぁすと」と読むとしたらどうだい?
めっちゃキラキラネームですね。
うーん。競馬ファンなら気付いてほしいなぁ。この名前は今回紹介する馬のもじりなんだけどなぁ。。。
ということで、今回紹介する馬はこの馬!!
ファストタテヤマ
あぁ、なるほど!館山=タテヤマ、速人=速い=ファストというわけですか。
下坂昇平須田鷹雄さんとおんなじ理屈ですね!
稀代の穴馬~ファストタテヤマは忘れたころにやってくる~
まず、ファストタテヤマと言えば、みんなが「もうないだろう。」と思った頃に突如として激走する「稀代の穴馬」だよね。
「稀代の穴馬」ですか?
そう。なんてったって、勝利時の人気が3番人気、8番人気、6番人気、4番人気、4番人気、6番人気と1番人気どころか、2番人気も一度もないからね。ちなみに3番人気だったのは、デビュー3戦目の新馬戦(※)だよ。
新規の競馬ファンの方は馴染みがないかもしれませんが、当時は「新馬戦でデビューした馬は、その同一開催期間中であれば何度でも新馬戦使い放題」というルールがありました。
買い時が難しそうな馬ですね。(;・∀・)
これは「馬券圏内」という区切りにしても変わりなくて、2番人気以内で馬券圏内に来たことは一度もなく、代わりに、16番人気と12番人気で2着に来たことがあるよ。
穴党には魅力的な馬ですね。
だから、当時2ちゃんねるのスレッドに「ファストタテヤマの馬券で家を建てやま」というスレが立ったくらいくらいだよ。
それくらいファンに愛された馬だったんですね。
そのファストタテヤマが生涯一度だけ1番人気になったことがあるんだけど、その時の着順は分かるかい?
えーっと、馬券にはなってないはずなので、5着くらいですか?
実は、10頭中10着というシンガリ負けだったんだよ。
。。。なんか、いかにも穴馬って感じですね。(;・∀・)
そんなファストタテヤマの「穴馬」としてのキャラを決定的にしたのが、この菊花賞だよ。このレースはスタート直後に1番人気のノーリーズンが落馬するという波乱のスタートから始まって、レースも10番人気のヒシミラクルが制し、馬連96070円という大波乱になったんだよ。
不発に終わることも多いが、ハマった時の末脚は一級品
ファストタテヤマはどんなレースをする馬だったんですか?
捲ることもあるけど、基本的には道中後方で脚をためる追い込み馬だったよ。それゆえに、展開に左右される面はあったけど、ハマった時の末脚は爽快感があったね。
ただ、好走するタイミングは本当に最後までつかみきれなかったよ。
と言いますと?
基本的には「末脚の持続力」で勝負する馬だと思うんだけど、レースの上がり3Fが33.3という「極限の上がり勝負」と言えるレースで2着に来たりするし、でも基本的には荒れ馬場の方が得意だし、距離も(2歳の時とは言え)1600mで勝つこともあれば、3000mで好走もできる。「この条件なら一発ある」というところが捉えにくい馬だったんだよ。
なるほどぉ~。
強いて言えば競馬場で得意不得意があって、京都と北海道は得意、阪神はまあまあ、関東遠征は大概結果が出なかったってイメージだね。
だから馬券を買う方からすれば、毎回「もうねぇだろう。」と思ってもなかなか消しにくいし、思い切って切った途端激走したりして、「なんとも厄介な馬」と思っていた人も多いと思うよ。
2歳から8歳までずっと強豪と戦い続けた無事是名馬
あと、ファストタテヤマと言えば、新馬戦を除いて、2歳から8歳まで一度も条件を走らず、一級線の馬と戦い続けてところも凄いところかな。
4歳や5歳で引退して種牡馬、繁殖牝馬になるような馬ならわかりますが、8歳まで現役を続けるような馬でそういう事はなかなか珍しいでしょうね。
しかもその間、大きなけがも長い休養もなくコンスタントに走り続け、最低でも年1回は馬券圏内に絡む活躍をしているからね。
これだけ馬主孝行な馬もそういないだろうし、タップダンスシチーやアグネスデジタルからウオッカまで対戦経験のある、まさしく「競馬界の生き字引」的存在だったね。
それだけ長くファンに愛されたということでもありますよね。
ほんの一瞬儚い夢を見た引退年の宝塚記念
館山さんがファストタテヤマのレースで一番印象に残っているレースは何ですか?
色々とあるけど、俺っち的には引退年の宝塚記念かな。
この年の宝塚記念は、この年のダービーを64年ぶりに牝馬として制したウオッカが参戦したほか、2冠馬メイショウサムソン、その年のドバイデューティーフリーを制したアドマイヤムーン、前年のマイルチャンピオンでこの年も安田記念を制していたダイワメジャーなど豪華メンバーが揃っていたんだ。
レースは小雨の降る中行われ、映像を見てもわかる通り荒れ馬場だったんだけど、ローエングリンが1000mを57.5で逃げる展開で、それでもそこまで大逃げにならないほどハイペースで展開していたんだ。
4コーナー、いい感じで捲って上がっていくファストタテヤマを見て俺っちは「これはひょっとしたら、ファストタテヤマ悲願のG1制覇あるんちゃうん?」と淡い期待を寄せていたんだ。
結局、直線はジリジリとしか伸びず5着に負けちゃったけど、儚い夢を見た思い出深いレースだよ。
引退後はどのように暮らしているんですか?
Wikipediaによると、福島と千葉で余生を過ごしていたけれど、2012年に腸捻転で亡くなったとされているよ。
ただ、ニュースソースがはっきりしないから真偽のほどは定かではないらしい。
これだけの馬でも引退後どうなったかわからないことも多いから、それはちょっと悲しいよね。