有馬記念の出走馬紹介②
こんちわ~す。館山速人で~す。
アシスタントの大澄晴香です。今日は昨日に引き続き「有馬記念の出走馬紹介」第2弾ですね。
では、早速紹介していこうか!
ファン投票4位 サートゥルナーリア
馬名の意味由来:古代ローマの祭りの名前
この馬はメンバー最年少の3歳馬。イメージとしてはオールスターに日ハムの清宮選手とかヤクルトの村上選手が出るイメージかな。その3歳馬の中ではもちろんトップ評価の馬なんだけど、関係者の中には「過去の名馬の中でも有数のポテンシャルを持っている」と評価する人もいるほど、その素質を高く評価されているよ。
☆長所
具体的なこの馬の長所はどこでしょう?
「ポテンシャルの高さ」って一括りにしてしまえばそうなんだけど、強いて言うなら「トップスピードの高さ」だろうね。
これを知らしめたのが9月の神戸新聞杯。このレースは秋の3歳馬の始動戦として知られているレースで、主に菊花賞を目指す実力馬が集まるレースなんだ。
今年の神戸新聞杯はみな距離を意識してか前半かなりのスローペースでレースが進んだ。普通スローペースだとみんなスタミナを残しているから差をつけて勝つのが難しい。けれど、サートゥルナーリアは4コーナーで先頭に立つと、余裕綽々抜け出して3馬身差の完勝。このレースぶりは多くの競馬ファンに衝撃を与えたよ。
スローペースで後続を突き放して勝てるのは全力で走った時のスピードが抜きんでているに他ならない。ここがサートゥルナーリアの最大のアピールポイントだろうね。
下のレースは今年のクラシック第1戦の皐月賞。ここでは着差こそわずかだけれど、コーナーで外を周らされながらきっちり勝ち切る玄人好みの競馬だったよ。
★懸念材料
それだけ聞くとこの馬が圧勝しそうな気もしますが……、何か懸念材料はありますか?
一番大きな懸念材料は「経験の浅さ」だろうね。サートゥルナーリアは生涯で2敗していてそれがいずれも日本ダービーと天皇賞という大舞台。いずれも騎手が敗因に「気負い過ぎる精神面」を上げていて、大観衆を前にいかに落ち着いてレースを進めるかがポイントだろうね。
また、経験という意味では「古馬一流のレースペース」に対する経験の浅さも気になるところ。
それはどういう事でしょうか?
3歳馬同士の戦いだと、言わば甲子園みたいなものだから選手の質も高いと言っても全員がプロ野球で活躍できるわけじゃない。競馬も同じで3歳のトップレベルと言えど全ての馬が「G1級」とまでは言えないから、レース自体が「前半から後半までずっとトップスピード」というレースは少ないんだ。
これが他の年代も混じるG1になると、野球で言えば「プロ野球のトップレベルの戦い」になる。スタートからゴール前トップスピード、あるいはそれに近いレースになることも多い。
サートゥルナーリアが勝ってきたレースはさっき「かなりのスローペース」と言った神戸新聞杯を筆頭に比較的前半が落ち着いた流れのレースが多く、「超一流ばかりが揃ったレースのペース」に対応できるかは不透明な部分もあると思うよ。
とは言え、持っているポテンシャルの高さは疑いようがないから「まだ若い『原石』を応援したい」という人はこの馬を買うのも良いかもしれないね。
ファン投票6位 フィエールマン
馬名の意味由来:音楽用語で「気高く、勇ましく」
この馬はキセキやこのレースには出てないけどブラストワンピースと一緒に今年フランス凱旋門賞に遠征した4歳の男の子。去年の菊花賞(芝3000m)と今年の天皇賞春(芝3200m)を制した長距離が得意な馬だよ。父は稀代の名馬として知られるディープインパクト。今年の夏、ディープインパクトは亡くなっているからここは父の為にも勝ちたいレースだよ。
☆長所
長距離のG1を2勝しているという事はこの馬の長所はやはりスタミナと言うことになるのでしょうか?
いや、この馬の長所はスタミナというよりスピード、正確には「ラストスパートのフレキシブルさ」とでも言えばいいのかな。
「ラストスパートのフレキシブルさ」ですか?ちょっと何言ってるかわからないです?
この馬はさっきも言った通り菊花賞と天皇賞春、2つのG1を勝っているんだけどこの2つのレースは性質的に全く異なるレースだったんだ。
菊花賞は直線までみんながスパートを遅らせ結果極端なスローペースになって、「いかに早くトップスピードが出せるか、いかに速いトップスピードが出せるか」という勝負になった。
一方の天皇賞春はスタミナに自信のある一方で、騎手のスパートの合図に即座に反応が出来なかったり、トップスピードの速さに自信がない馬が多かったりで比較的みんな早めにスパートしだす展開になった。結果、「トップスピードをいかに長く持続させることが出来るかを問われるレース」になった。
その両方を勝ったフィエールマンはこと「末脚(ラストスパート)を生かせるレース」になればどんなレースにも対応できる柔軟性があると思うよ。
★懸念材料
一方の懸念材料はどういったところでしょう?
ずばり「遠征のトラウマ」だね。
今年の凱旋門賞は直前に雨が降ったせいで芝の状態がかなり悪い中レースが行われたんだ。ただでさえ日本の芝より芝質の問題から「走るのにパワーがいる」と言われるヨーロッパの芝をそんな状態で走ったんだから、遠征自体の疲労と合わせて相当な肉体的負荷がかかったのは間違いない。
そういう馬場で行われたこともあってか、レース自体も前半はいい感じで前の方でレースを進めていたんだけど、直線手前からズルズルと下がってしまって12頭中12着、最下位でのゴールとなってしまい精神的にもダメージの大きい敗戦だったことは想像に難くない。
下手したら「レース」そのものに嫌悪感を覚えて競走自体を拒絶しかねない負け方だったから、巻き返すには相当な精神力が必要とされると思うよ。
その辺りは館山さんほど打たれ弱くはないでしょうから大丈夫でしょ。
どういう意味じゃ!( `ー´)ノ
まぁ、確かにフィエールマンとて伊達にG1を勝ったわけじゃないからそういった精神力を持ち合わせている可能性は十分にある。「負の出来事を払拭し、強くなって帰ってくる」という展開に胸が熱くなる人にはお勧めしたい1頭だよ。
ファン投票7位 ワールドプレミア
馬名の意味由来:世界規模での上映会
この馬は父がディープインパクトで騎手は現段階では武豊騎手が乗る予定。ディープインパクト産駒に武豊騎手が乗るというだけでロマンを感じるよね。自身はまだ3歳。春はケガなどもあって満足いく成績は残せなかったんだけど、休養を挟んで秋に本格化。クラシック最終戦の菊花賞を勝っての参戦だよ。
☆長所
この馬の魅力は何と言っても「勢い」だね。さっきも言ったけれど、春は脚元の具合も良くなく、順調にレースを使えなかったんだけど、復帰後は心身ともに充実してきたのか3000mと言う長丁場で行われる菊花賞を制覇。
競馬ではG1、その一つ下のカテゴリーであるG2、さらにその下のカテゴリーであるG3のことを「重賞」と呼んでいるんだけど、菊花賞でその重賞競走を初めて制したんだ。(※注新設重賞の場合「G1」などのカテゴリー分けがなされていないものもあります。)
「菊花賞ではじめて重賞を制した馬」で思い出されるのが95年の有馬記念優勝馬マヤノトップガン。この馬は後に宝塚記念と天皇賞春も勝ったG1・4勝の名馬。ワールドプレミアがこの域まで行く可能性も十分にあるよ。
なるほど。今がまさに伸び盛りって感じですね!
★懸念材料
一方で「まだ強敵と戦ってはいない」というのがこの馬の懸念材料かな。
アーモンドアイを筆頭とする4歳以上の古馬(平たく言えば大人の馬)と戦ったことはないし、菊花賞を勝ったとはいえ、今年の菊花賞は春に実績を残した馬、例えば皐月賞馬のサートゥルナーリア、ダービー馬のロジャーバローズ、皐月賞3着・ダービー2着のダノンキングリーあたりはケガや距離を理由に出走してこなかった。
出走した馬の「実績」をもとに見るならば、G1としてはやや格落ち感があるのは否めないレースだったよ。
超一流を相手にどこまでやれるのか。有馬記念が試金石でもあるわけですね。
そういう事。だから「若い伸び盛りの子を今から先物買いしたい」という人はこの馬を応援してみてはどうかなと思うよ。
ファン投票8位 スワーヴリチャード
馬名の意味由来:冠名(スワーヴ)+人名(リチャード) ※冠名:馬主さんが所有馬につける屋号。分かりやすく言うと馬の名字みたいなものです。
この馬はキセキと同じ5歳牡馬。去年、G1の大阪杯を勝ってからしばらくはやや不振に陥っていたものの、前走のジャパンカップでG1・2勝目を挙げて復調の兆しを見せた。父は2005年の有馬記念でディープインパクトを破ったハーツクライ。父のようにアーモンドアイという大物を仕留めることが出来るかが注目されているよ。
☆長所
この馬の長所は「どんな条件でもきっちりと結果が出せる」という所かな。
「どんな条件でも」ですか?
例えば、先月行われたジャパンカップなんかは前日からの雨で馬場は悪い方から数えて2番目の状態である「重」で行われたんだ。凱旋門賞の話をした時にチラッと出たけどこういう馬場は脚を取られたりパワーを余計に使ったりで大幅にパフォーマンスを落とす馬も多いんだ。
そんな中、スワーヴリチャードは最後まで伸び脚が衰えることなく伸びきってジャパンカップを制して見せた。実際スワーヴリチャードは良馬場(馬場が最もいい状態)以外で4戦走ってるんだけど、3勝2着1回の好成績をおさめている。
天候や馬場状態にされずしっかり力を出し切れるのは、暮れも押し迫った中で行われ、馬場状態が冬枯れ+それまでのレースでの消耗によって傷みやすくなった状態の芝で行われる有馬記念においては大きなアドバンテージと言えると思うよ。
★懸念材料
では懸念材料はどういったところでしょう?
実はスワーヴリチャードって今回馬券的に人気しそうなアーモンドアイ、リスグラシュー、キセキ、サートゥルナーリアの4頭相手には一度たりとも先着したことがないんだよね。
リスグラシューとサートゥルナーリアに関しては一度しか対戦していないから仕方ない面はあるんだけど、アーモンドアイとは2度、キセキとは3度同じレースで顔をあわせて着順でこれらの馬を上回ったことがない。対戦成績だけ見るとかなり分が悪い印象だよ。
うーん。そう言われると何となく厳しそうに感じてしまいますね。
とはいえ、対戦した時はスワーヴリチャードが調子を落としている時期もあったし、競走中に不利を受けたレースもある。ジャパンカップを勝って本来の調子を取り戻したスワーヴリチャードなら逆転のチャンスも残されていると思うよ。
「今まで煮え湯を飲まされ続けた相手に一矢報いるところが見たい」と思う人はこの馬を応援するのが良いかもね。
今日はここまで。明日はレイデオロ、アルアイン、シュヴァルグラン、ヴェロックスの4頭を紹介する予定です。お楽しみに!ヽ(^o^)丿