ディープインパクト最高傑作~日本ダービー回顧~
こんちわ~す。館山速人で~す。
アシスタントの大澄晴香です。今日は日本ダービーの回顧ブログです。
時計&ラップタイム
勝ちタイム:2.24.1 ラップタイム:12.6-11.3-12.9-12.6-12.3-11.8-12.2-12.3-11.8-11.3-11.3-11.7 前半6F-後半6F(前4F-中4F-後4F):73.5-70.6(49.4-48.6-46.1)
ペース分析:スローペースの上がり勝負と思われがちだが、マイラプソディが向こう正面捲って行ったことで中盤でペースが緩まず、最大の加速ラップが0.5秒と加速力より徐々にギアを上げる持続力が試されるレースだった。とは言え、上がり3F内に11秒台前半が2Fあり最高速も必要となり総合力がないと上位に来れないレースに見えるので、上位馬は能力のバランスが良いと考えて良いと思う。
ここにきて現れたディープインパクトの正統後継者
それにしてもコントレイルは見事な二冠でしたね。
抜け出した時は「余裕綽々」といった感じだったね。
この馬はトップスピードももちろん高いんだけど、それだけじゃなくてハイペースを前で競馬できて後半にためておく脚を失わないだけの耐久力もあるし、ギアチェンジが早い割に良い脚を長く使える持続力もある。能力のバランスが良くて全てがハイスペック。
これで父ディープインパクトに続く無敗の二冠馬になりました。
正直言ってこれまでのディープインパクト産駒って、「ディープインパクトの縮小版」みたいなイメージがあって、確かに走る馬は多く出るんだけど「父を超えられる可能性を感じる馬」はいなかった。
イメージとしてはバブルガムフェローに近くて「2歳、3歳の期待感の割に古馬になってからの成長に乏しい」感じで、実際ディープインパクト産駒の牡馬で古馬の中長距離G1を2勝以上したのはフィエールマンが初めてだった。
だけどコントレイルは明確に「父を超える」という未来を現実的に描ける馬。それくらい欠点が見当たらない上に長所も強い。成長力に関しては未知数の面もあるけれど、今の能力を維持するだけで古馬G1でも簡単に獲れると思わせるくらいの魅力を感じる馬だよ。
秋は菊花賞で三冠挑戦となります。
京都3000mの舞台がベストだとは思わないけれど、今日のレースラップは12.5を切るラップが8F続く持続力も感じさせるラップで長丁場のロングスパート戦になっても対応できるイメージはできる。三冠の可能性は十分あるだろうね。
サリオスもコントレイルがいなければ「無敗の二冠馬」になっていたという事実
2着も皐月賞に続いてサリオスでした。この世代ではこの2頭のポテンシャルが抜けているようにも思いました。
そうだね。もちろん距離や競馬場によって結果は変わるんだろうけど、それでもこのメンバーで「馬券買え」と言われたらやっぱりこの2頭軸で買うだろうし、そう言う事なんだろうね。今回コントレイルと3馬身もの差がついたのは枠順と位置取りによるところが大きかったと思うし、もう少し内枠に入って前目で競馬をしていれば差は詰まっていたと思う。
裏を返せばベストの位置取りや枠順でなかったのに3着に1馬身3/4の差をつけているのだからこの馬も強い競馬をしている。4コーナーの手応えについてコントレイルに目がいきがちだけど、この馬も持ったままの余裕の手応えで上がってきているし、ポテンシャルは相当なもの。
成績的に見てもコントレイルがいなければ、5戦5勝無敗のダービー馬になっていたわけだしね。
コントレイルは菊花賞で三冠挑戦が明言されていますが、この馬の場合、秋はどの路線に行くんですかね?
古馬相手でも十分通用しそうだけどね、秋の天皇賞なんてこの馬には絶好の舞台のように感じるし。血統的には母系がゴリゴリのヨーロッパ血統だし凱旋門賞でもいい勝負できるんじゃないかと思ってる。
もちろん菊花賞も良いけれど、こちらも京都3000mがベストの舞台だとは思わないし、無理に目指す必要はないかなとも思う。走ったら走ったでこなせると思うけどね。
菊花賞でコントレイルの三冠を阻止する可能性があるのは同馬主のアイツ
コントレイルに関してもサリオスに関しても「京都3000mがベストではない」と言う事ですが、その舞台になればこの2頭を負かせそうな馬はいますか?
それはもう京都新聞杯の時にも言ったけどディープボンドだよ。
ダービーに関しても巷では「スローペース」と言われているから前の馬には有利と思われがちだけど、実際はマイラプソディが早めに仕掛けたことで息の入れ所が難しくなり中盤緩みのないラップになったから決して前有利とは言えない展開だったと思う。
実際、ウインカーネリアンは早々と失速してるしマイラプソディ、コルテジア、ヴァルコス辺りはゴール前で垂れている。この馬の5着と言うのは決して展開利があったわけじゃない。
33秒台はおろか、34秒台の上がりですら1回しか使ったことない馬だから、極端なスローにならない限り上がりに11秒台前半が出ない菊花賞(実際に過去10年遡ってみても上がり3Fに11秒台前半が出ていたのはフィエールマンが勝った18年のみ)なら、最高速の足りなさをパワーやスタミナ、耐久力で補完できるし、逆転の可能性は十分にあると思うよ。
問題はディープボンドがコントレイルと同じ馬主ってことなんだよなぁ~。自身が勝つために動くんじゃなくてコントレイルが勝つために動かれたらどうしようもない。そこはチームオーダーなど組まずに正々堂々と勝負することを祈るしかない。
3着のヴェルトライゼンデ、4着のサトノインプレッサについてはどうでしょう?
ヴェルトライゼンデは「持続力」というより「耐久力」に長けているというイメージでやや一本調子な印象があったんだけどダービーのレースぶりからすると持続力も悪くない。ディープボンドほどではないにしろ菊花賞への適性はそれなりにあると思うよ。(その後、骨折が判明。)
4着のサトノインプレッサについては今回は内枠を引いて直線までじっとしていたのがハマったという印象は強い。内枠と騎手の好判断が好走の要因としては大きいと思う。とは言え、これまで実績のなかった上がりの速いレースでそれなりに走れたのは今後に向けてプラスだし、毎日杯までのレースを見る限り力は間違いなくあるわけだから秋も期待して良いと思う。菊花賞って言うイメージはしないけどね。
まとめ
1着 コントレイル
◆強い。
◆欠点も感じられず総合力も高い。個人的には文句なくディープインパクトの最高傑作。
◆菊花賞の舞台京都3000mはベストではないが、ロングスパートに対応できる持続力もありそうだし能力が抜けているので勝てる可能性は十分。
2着 サリオス
◆強い。
◆コントレイルと共にこの世代では抜けたポテンシャル。
◆京都3000mの舞台はコントレイルと同じようにこなせると思うがベストではない。個人的には「クラシック至上主義」寄りの考え方でもあるのだが、この馬に関しては中距離路線でいいと思う。
3着 ヴェルトライゼンデ
◆ペースが緩まず決して前有利とは言えない流れである程度前で競馬して最後まで伸びが衰えなかった点は評価したい。
◆上がり3Fに11秒台前半が2F続くような速いラップに対応できたのも今後に向けては明るい材料。
◆菊花賞の適性的には上位馬で言うとディープボンド>ヴェルトライゼンデ>コントレイル・サリオスくらい。コントレイルより適性は上と思うが「適性だけで逆転できる」という気はしない。(その後骨折が判明。)
4着 サトノインプレッサ
◆内枠を最大限に利した坂井瑠星騎手の好騎乗。今回の4着に関してはこの内枠と好騎乗と言う要素が大きい。とは言え、ポテンシャル自体は毎日杯までのレースで証明済み。
◆速い上がりでそれなりの脚を使って掲示板に載った点は今後に向けて明るい材料。
◆今回は脚を溜めて直線一気の形だったので距離云々を判断できるかは微妙。個人的には菊花賞のイメージは出来ない。
5着 ディープボンド
◆緩みない流れを前受けで好走出来た点は評価したい。
◆上がりの速い競馬は合わないのでその中をこの着順になったのも評価できるし、菊花賞への適性はこのメンバーの中でも随一。京都3000mの舞台ならコントレイルを逆転することも可能。