こんちわ~す。館山速人で~す。

今日はアシスタントの大澄晴香ちゃんはお休み、俺っち一人で進行していきたいと思います。

今日は7月21日に訃報が伝えられたビワハヤヒデについての名馬物語。アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」にも登場したので、競馬を知らない人でもこのアニメを見ている人なら知っている人もいるかと思います。

俺っち自身はビワハヤヒデが活躍していたころは「なんとなく」の記憶しかないのですが、それでもその活躍ぶりは後のテレビや雑誌などで幾度と取り上げられたので俺っちの知るところとなりました。

今日はそのビワハヤヒデについての基本的な紹介をしてから、「顔」と言う視点を中心に語っていきたいと思います。

ビワハヤヒデとは

ビワハヤヒデは1990年福島県生まれの競走馬。この福島県生まれと言う経歴、実は競走馬としてはかなり珍しい経歴です。このような経歴になったのには実は理由がありまして、お母さんのパシフィカスはイギリスで子を宿してから日本に輸入された牝馬だったのですが、当時はバブル景気で繁殖牝馬の輸入も活発に行われていたために、検疫がずれ込み日本についた際には出産予定日が間近に迫っていたのです。そのためにビワハヤヒデは空港から近い福島県の牧場で生を受けることになったのです。

血統構成は父シャルード、母パシフィカス。父シャルードは言葉を選ばずに言うと「ビワハヤヒデの父」以外の印象はほぼない種牡馬。母パシフィカスはビワハヤヒデを産んだ1年後、三冠馬ナリタブライアンを産むことになる名牝で、同牝系からファレノプシスやキズナも輩出した今でも根強く影響力を残す血統です。

競走馬デビューは3歳(旧年齢表記)の9月。1600m戦で2着に1.7秒の大差をつけて圧勝すると、続くもみじS・デイリー杯3歳Sを連勝。暮れのG1朝日杯3歳Sに駒を進めます。

朝日杯3歳Sは4角で先頭に並びかける王道競馬を見せるも外をまくってきたエルウェーウィンとの叩き合いに敗れ2着、確勝を期して挑んだ共同通信杯もマイネルリマークに足元をすくわれ2着と敗れ、陣営はここまで手綱を取ってきた岸滋彦騎手から関東の名手岡部幸雄騎手への乗り替わりを決断する。

岡部騎手が初めて手綱を取った若葉Sは2馬身差で順当に勝利し、皐月賞に駒を進める。そしてここで初めてクラシックでライバルとなるウイニングチケットと初めて顔を合わせることになる。

ウイニングチケットは父トニービン、母はパワフルレディと言う血統。 鋭い末脚を武器に皐月賞と同じ中山芝2000mで3連勝して皐月賞に駒を進めてきた期待馬だ。

皐月賞は1番人気ウイニングチケット、2番人気ビワハヤヒデの人気順。オッズ的には2強の様相。

レースは先行するビワハヤヒデを後ろからウイニングチケットがマークする形。4コーナー出口で先頭に立ったビワハヤヒデが、ウイニングチケットの追撃を完全に振り切った残り100m地点。勝利を確信したであろう矢先、大外からナリタタイシンが強襲。ゴール直前で差されて2着に敗れる。

この結果により、「2強」との評価は「3強」に変化。後に「BNW世代」と呼ばれるクラシックを展開することになる。

迎えたダービー、人気は1番人気ウイニングチケット3.6倍、2番人気ビワハヤヒデ3.9倍、3番人気ナリタタイシン4.0倍とこの3頭が分け合う形となった。

改めてレースを見ると、「あぁ、これリアルタイムで見てたらめっちゃ興奮するやろなぁ」と言うレース。4コーナーまでは皐月賞と同じようにビワハヤヒデが前、その直後をウイニングチケット、後方からナリタタイシンという位置取り。しかし、4コーナーでウイニングチケットが内目の最短距離をついて早めに仕掛け先頭に立つ。外にヨレながらも懸命に伸びるウイニングチケット!その内をついてビワハヤヒデも伸びてくる!残り100m。手ごたえはビワハヤヒデが優勢に見えた。しかし、そこからのウイニングチケットが凄かった。鞍上柴田政人騎手の渾身の右ムチにこたえ、絶対に抜かせない走りを見せる。あと半馬身がなかなか、なかなかつまらないままゴール。ウイニングチケットがダービーを制し、柴田政人騎手が初めてのダービーをもぎ取った。

春の二冠を惜しくも逃したビワハヤヒデ。本来なら多くの有力馬がそうであるように夏場は休養に充てられるはずだっただろうが、ナリタタイシン、ウイニングチケットとの差を詰め、抜き去るべく厩舎に残ってハードトレーニングを敢行。その甲斐あってかビワハヤヒデの秋は充実期に入る。

休み明けの神戸新聞杯を1馬身半差で快勝すると、続く菊花賞ではクラシックで初めて1番人気に支持されそれに応えて当然のごとく圧勝。有馬記念ではトウカイテイオーの2着に敗れたものの、菊花賞勝ちとG1での2着3回が評価されて年度代表馬に輝いた。

古馬になってからもその勢いは衰えることがなかった。年明け初戦の京都記念を7馬身差の圧勝で制すと、続く天皇賞春はナリタタイシンの追撃を悠々と振り切り快勝。ファン投票で出走馬を決める春のグランプリ宝塚記念では14万8768票と言うレース史上最多得票数で選出されると、それに対する礼とばかりに5馬身差の圧勝。古馬最強を印象付けた。

この頃には1つ下の弟で皐月賞・ダービーの二冠を制していたナリタブライアンとの「兄弟対決」を望む声も大きくなり、有馬記念でその実現が期待されていた。

しかし、結論としてはその対決が実現することはなかった。オールカマーも勝利し、圧倒的1番人気で臨んだ天皇賞秋のレース中に屈腱炎を発症。そのまま引退となった。

生涯戦績は16戦10勝2着5回。結果的に引退レースとなった天皇賞秋を除くと連を外さなかった安定感は過去の名馬と比べても勝るとも劣らないものであった。

デカい顔

競馬ファンに「ビワハヤヒデの特徴と言えば?」と聞くと必ず返ってくるであろう答えの一つが「デカい顔」。

実際、芦毛と言う事もあってか今レース映像を振り返ってみてもビワハヤヒデのポジション取りはたやすく見つけられることが出来る。

その大きな顔が幸いしてか、ビワハヤヒデは女性人気が高かったらしい(wikipedia情報)。そのイメージからくる「おっとりさ」が女性に受けたのかもしれない。

実際、俺っちがイメージするビワハヤヒデは気性難のイメージはまるでなく、レースを見ても折り合いに苦労することはとんと見受けられなかった。ビワハヤヒデはそのデカい顔に似合う「落ち着いた男」だったのかもしれない。

涼しい顔

ビワハヤヒデと言えば宝塚記念での関西テレビの実況「今日も涼しい顔をして」の印象が強い方もおられるだろう。実際、ビワハヤヒデが勝つレースは余裕で勝っているように見えるレースが多く、この宝塚記念も5馬身差の圧勝だった。

同じく初のG1タイトルとなった菊花賞も5馬身差、そしていずれのレースもレコード勝ちと本格化してからは常に走りに王者の余裕を感じさせるもので、改めてこの記事を作ってみて「もしかしたら史上最強馬の候補に挙げてもいいんじゃないか」と言うレベルの馬であると感じた。

↓↓↓本編とは何の関係もありませんが良い本らしいので↓↓↓