刮目すべきはテンから4F目のラップ~葵S予想~
こんちわ~す。館山速人で~す。
アシスタントの大澄晴香です。土曜日の京都メインは3歳の短距離重賞葵Sです。この時期の3歳限定の短距離重賞ってなかなか難しくないですか?
そうだね。実は「世代別の芝1200m重賞」って昔はクリスタルカップとかもあったし、フェアリーSやファルコンSも1200mで行われてたりしたんだけど、今は2歳戦を合わせても函館2歳S、小倉2歳S、葵Sの3つになってしまったからね。
スプリントを意識して使ってきた馬とマイル路線を走ってきた馬の比較はなかなか難しいところがあると思う。
でも、葵Sの過去傾向を調べるうちに「このレースで好走しそうなラップ傾向」と言うのは発見できたから、それを中心に今日は話をしていくね。
それは頼もしいですね。それでは早速予想に入って行きましょう。
過去5年時計&ラップタイム
2019年:ディアンドル:1.08.0 12.4-10.7-10.9-11.2-11.2-11.6(良) 34.0-34.0
2018年:ゴールドクイーン:1.08.0 12.1-10.8-11.0-11.0-11.2-11.9(良) 33.9-34.1
2017年:アリンナ:1.10.5 12.6-11.0-11.3-11.6-11.5-12.5(不良) 34.9-35.6
2016年:ナックビーナス:1.07.9 12.4-11.0-10.9-11.1-10.9-11.6(良) 34.3-33.6
2015年:ジャストドゥイング:1.08.0 12.3-10.5-11.2-11.4-11.2-11.4(良) 34.0-34.0
※見方…年度:勝ち馬:勝ちタイム ラップタイム(馬場) 前半3F‐後半3F 太字はそのレースで前の1Fから最も加速しているラップ
※2017年まではオープン特別として実施
☆傾向
①前後半のラップ差は、不良馬場だった2017年を除いてそれほど大きくなく中盤4Fは11.4以内。テンのダッシュ力、持続力共に必要。他のコースの芝1200mに比べるとテンから数えて3F目と4F目でそれほどラップが落ちないのが特徴か。
②テンの1Fと2F目以外に加速するラップがあるのは5年中3年。ここ2年は道中に加速ラップがなくやや耐久力重視と見るべきか。
③重馬場だった2017年以外はラスト3F目、2F目といずれも11.5より速いラップが出ており、ラスト1Fも11秒台。消耗度はそれほど大きくなく、パワー型よりスピード型重視が賢明。但し、今年は京都の馬場が例年より早く傷んでいるように思え傾向に変化が表れるかも。
この傾向を条件化すると、
①ダッシュ力・持続力→4F以上11.4以内のラップを持続するレースで結果を残したことがある馬は大量加点。テンの2F目と3F目がともに11.4以下のレースで実績のある馬も加点して良い。逆にテンの2F目と3F目がともに11.9以下のラップで結果を残したことがない馬は大幅減点。
②耐久力→1200mを中心に使ってきた馬は問題ないと思うが、1400m以上を使ってきた馬ついてはスローの上がり勝負のようにどこかでペースが一気に上がるようなレース(目安として0.3秒以上の加速ラップがあるレース)しか経験のないようなタイプを減点として構わないだろう。
③スピード→理想はラスト3Fの中に11秒台(もちろん10秒台も含む)が2F以上。12秒以上かかるラップが2Fあるレース、ラスト1Fが12.5以上のレースでしか好走経験のない馬は厳しい。ラスト1Fで前のハロンより0.8以上減速しているレースの好走経験も軽視。
スピードかパワーか。キーポイントはテンから4F目
過去5年の傾向を見ると、1200mのレースにしてはそこまで前傾ラップにはなってないですね。
そうだね。京都コースの1200mはスタート直後に上り坂があって最初の1Fの入りがゆっくりになるのと、高速馬場によってゴールまでスタミナが残りやすいと言うのが原因だろうね。
こういう前後半の差が少ない短距離戦を狙うポイントと言うのはどういったところにあるのでしょうか?
俺っちのイメージでは、1200m戦の最初の3Fって言うのはよほどの不良馬場かスローペースじゃない限り33秒台になって2F目、3F目のラップタイムはそれぞれ11秒台前半になるんだよ。
変化が表れるのはスタートから4F目でここでスピードが問われる高速決着となるレースでは、ここでのラップタイムの”落ち”が極端に少ない。せいぜい0.3以内。
逆にパワーや耐久力優先のレースになるとここでラップタイムが0.5以上落ちてそこから良くてそのラップを刻み続けるか、ゴールに近づくにつれてラップタイムがかかっていくイメージ。
確かに過去5年の葵Sを見ても、テンの3F目と4F目の比較で0.4以上ラップタイムが落ちている年はありませんね。
そうでしょ。だから、葵Sでは短距離戦(せいぜい1400mまで)で3F目から4F目のラップの落ちが少ないレースで好走した実績がある馬を狙っていきたいね。
そこで選んだのが、
3レジェーロ
この馬は前々走のかささぎ賞で11.9-10.5-11.3-11.4-11.6-12.0というラップで勝利しており先ほどの条件に当てはまる。ちなみに「テンの2F目~4F目全て11.4以内のレースで勝利したことがある馬」と言うのは今回の出走馬でこの馬だけ。この点から見ても「テンのスピードを生かすレース」で狙うべき馬と言うのは間違いないだろう。
内容を見ても2着以下の上位入線馬は軒並み差し馬が来ている中、この馬は先行して押し切っており中身も濃いレースをしている。
前走は一番人気を裏切っているけれど、このレースはラップタイムが12.0-11.0-11.4-11.5-11.3-12.1とラスト2F目で若干だけどラップタイムが上がっており、ほんのり緩急が必要とされるレース。緩みのないペースで先手を取れれば巻き返し可能と見る。
(ランフォザローゼスの為かもしれないけど)北村宏司騎手がわざわざ関東からの利に来ているのも気になるね。
ここはこの馬から勝負だよ。
印
◎3レジェーロ
〇2アルムブラスト
▲11ゼンノジャスタ
△16ビップウインク
✕12ビアンフェ
☆13グリンデルヴァルト
買い目
単勝:3
馬連(流し):3-2,11,16
3連複(フォーメーション):3-2,11,16-2,11,12,13,16
ずばり、自信度の方はいかがでしょう。
これはあくまでも「去年までに近い高速馬場」を想定した予想。ただ、先週のレースを見ると流れたレースも多かったから判別が難しいところもあるけれど、上がり3Fに11秒台前半が出てくるレースが思ったより少なくて、例年より時計がかかりだすのが早い印象。
先週の古馬1勝クラスでの芝1200m戦のラップタイムが12.5-10.7-11.0-11.2-11.1-12.1だから、傾向が変化するほど馬場は荒れていないと読んだけど集中に雨が降ったから馬場読みが当たっている自信はない。
自信度は☆☆と言ったところだね。
もし馬場が館山さんの想定以上に悪くなっていればどうなるでしょう。
予想のところで述べた考え方と逆をイメージすればいい。すなわち「テンの3F目と4F目に差があるレース」で好走した馬の評価を上げる。具体的にはケープコッド、ビアンフェあたりかな。
そこまで狙い馬変わりますか?
ここは能力的に抜けた馬がいないように見えるから、ちょっとした馬場の変化でコロっと結果が変わりそうなイメージのレースだよ。