気品漂うエリート皇帝~シンボリルドルフ~

気品漂うエリート皇帝~シンボリルドルフ~

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。

今日は「ウマ娘」に出てくる馬を紹介する企画の第3弾をやっていくよ!

わかりました。今回はどの馬を紹介してもらえるんですか?

今回は

シンボリルドルフ

を紹介していくよ。

シンボリルドルフですかぁ~。館山さんはシンボリルドルフの現役時代をリアルタイムで見たことがあるんですか?

いや、ないよ!(`・ω・´)キリッ

……。そうですよね。年齢的に考えて……。それでブログ書けるんですか?

まぁ、一応雑誌とか本とかを競馬をはじめた頃に読んでいるからね。そこに書いてあった逸話とか関係者の証言から俺っちが感じ取ったことを書いていくつもりだよ。こういう馬の話はどんどん語り継いでいくべきだと思うし…。

なるほど。わかりました。では、君の書いたシンボリルドルフ評というものを見せてもらおうじゃないの。

(急になんだそのキャラは……。)OK。じゃあ語っていくよ。

みんなの「イメージ」が大体一致するシンボリルドルフ

ところで、俺っちがウマ娘を観ていた時一つ気になったことがあったんだよね。

気になったこと?何ですか、それは?

テイエムオペラオーのキャラだよ。俺っちの中でテイエムオペラオーって、なんて言うか質実剛健というか地味と言うか、あれだけ勝ちまくってるけど、「真面目で素朴」というイメージが俺っちの中にはあったんだ。

だけど、アニメでは、「派手好きで目立ちたがり屋でナルシスト」というキャラクターがつけられていて、個人的には何となく違和感を覚えたんだ。

もちろん、俺っちのイメージが必ずしも正しいわけではないし、「ウマ娘」の制作の方々が「意外性」を求めてイメージと敢えて違うキャラを作ったのかもしれないからそれに対して是非を問うことはしないけどね。

他にもいつリリースされるかわからないスマホゲーム版のキャラクターでも、ライスシャワーなんかは「気弱で健気」というキャラ付けがされているけど、同じように競走馬を擬人化した漫画「馬なり1ハロン劇場」では「金棒(っていうのかあれ。鬼が持ってるとげとげのついた棒のことです。)をもって他人の大記録を阻みに来るヒール役」というキャラ付けがされていて、威勢の良い性格をしていたんだよ。

「金棒をもって」って……、すごいですね。

こういう風に「競走馬のキャラクター」って人それぞれイメージが違ったり、表現の仕方が異なっていて面白いと思うんだけど、ことシンボリルドルフに関しては、このキャラクターが多くの人の中で統一されたイメージがある気がするんだ。

「統一されたイメージ」ですか?

うん。まぁ、それはこれを見てもらえるといいよ。

◆「ウマ娘」でのシンボリルドルフ

学園の生徒会長役。いかなる時も冷静沈着で、他のウマ娘達から畏敬の念を抱かれている。

◆「馬なり1ハロン劇場」でのシンボリルドルフ

ヨーロッパの貴族のような衣装を身にまとい、登場時は馬車に乗ってやってくる。

◆明石家さんまさんの証言

(シンボリルドルフのイメージについて)「いいとこの家に生まれて、いい大学出て、商社に入って、フジテレビのアナウンサーと結婚するイメージ(中略)お前どっか欠点ないんか。という奴」(`94「さんま・清の夢競馬」内での発言)

皆さん一貫して「気品が漂う」というか、育ちが良いエリートと言うイメージですね。それにしても「馬車に乗ってやってくる」って、馬でしょう。(笑)

そうだね。でも、ルドルフなら馬車に乗ってきてもおかしくないくらいの雰囲気があるんだよ。

こんな風にシンボリルドルフには擬人化してキャラをつけるときも、その根底にどこか「気品」という一貫性があるんだよ。

少なくとも、俺っちはシンボリルドルフが三枚目キャラになっていたり、いわゆる「雑草魂」のようなものを持ったキャラクター付けがされているところを見たことがないし、想像もできない。ギャグパートで登場するときもあくまで「エリート」や「高貴さ」を前提としたギャグになる。

なるほど。じゃあ何でシンボリルドルフにはこういったキャラクターが成立していったんでしょう?

良い質問だね。じゃあ、次は「なぜシンボリルドルフに『エリートで高貴』というキャラがついたのか」を見ていこう!

「期待値の高さ」を裏付ける数多くの逸話

シンボリルドルフには若駒時代から期待値が高かったことがうかがえる、数多くの逸話が残っているよ。

逸話ですか。例えばどんなものがあるんですか?

シンボリルドルフはデビュー戦を芝1000mのレースで走っているんだけど、そのレースで調教師である野平祐二師は、騎手である岡部幸雄騎手に「1600mのレースのつもりで乗ってくれ」と指示を出し、次のレースであるいちょうSでは、反対に野平調教師が「1600mで2400mの競馬をした」と感じる内容でともに勝利を挙げた。

この逸話から、「将来は確実にクラシックで走る馬だから、その練習を早めにさせておこう」という陣営の意図や、「1000m戦で1600mの競馬、1600m戦で2400m戦の競馬をしても条件戦であれば勝てる」という自信がうかがえるよね。

……。そのエピソードどこかで聞いたことがあるような気が……。

それはおそらく「みどりのマキバオー」におけるカスケードだね。カスケードはデビュー戦の東京と2戦目の京都でそれぞれ、ダービーと菊花賞を意識して、ゴール後もそれぞれのレースの距離である2400m、3000mにまで走って予行練習をする。というエピソードがあったよ。

まぁ、シンボリルドルフは「実際に走った」わけではないけどね。

漫画のエピソードの元になるってすごいですね。

で、その後シンボリルドルフはオープン特別で3戦目を勝利すると、その後は弥生賞に……。

ちょっと待ってください。朝日杯には出走しなかったんですか?

良いところに気が付いたね。実はシンボリルドルフの3戦目はジャパンカップの当日だったんだけど、これはオーナーが「ジャパンカップに来る海外の競馬関係者に『日本にもこんなにすごい馬がいるんだぞ』というのを見てもらうため」に出走させたという話だよ。

そこまでシンボリルドルフという馬に自信を持っていたんですね。

そういう事だね。で、年明け初戦の弥生賞に話を戻すと、この時岡部騎手は一つの選択を迫られることになるんだよ。

選択ですか?

当時岡部騎手には4戦4勝で共同通信杯も制していたビゼンニシキというお手馬がいたんだ。競馬マスコミの間ではそれまでの人間関係などから「岡部騎手はビゼンニシキを選ぶ」という意見が大勢だったそうだよ。

しかし、当の岡部騎手は「選択するとか迷うとかそういう次元じゃなかった。問題なくシンボリルドルフ。」と言い切り、あっさりとシンボリルドルフを選択したんだ。

この選択によって、ビゼンニシキ関係者は激怒し、オーナーは二度と岡部騎手を所有馬に乗せることはなくなり、調教師も長年の間騎乗依頼をすることはなくなったそうだよ。

関係者との人間関係を袖にしても、シンボリルドルフの可能性に賭けたということですね。

その通り。

名手の礎となったダービー

その弥生賞で、ライバル・ビゼンニシキ相手に1馬身4分の3差をつけて快勝すると、続く皐月賞もレコードで快勝。その表彰式で岡部騎手は「この馬は三冠を狙えるよ」という意思表示として、1本指を高々と掲げたんだ。

ディープインパクトの時に武豊騎手がやったような感じですね。

そうだね。新しい競馬ファン(と言ってもディープインパクトから10年以上経ってるのか…)はそれをイメージしてくれたらいいかな。

そして、次走は二冠のかかったダービーなんだけど、実はこのレースシンボリルドルフは苦戦を強いられることになるんだ。

と言いますと?

道中、岡部騎手が手綱をしごいて促しているのに、シンボリルドルフは前に進んでいこうとしなかったんだ。

場内はにわかに、「これルドルフ負けるんじゃね」というような空気に包まれた。

4角を回ると、シンボリルドルフは「勝負はここから」と言わんばかりに自らハミをとると、グイグイと伸びて差し切り勝ち。見事二冠を達成したんだ。

この時のシンボリルドルフのまるで勝負所を分かっているような競馬から岡部騎手は「ルドルフに競馬を教えてもらった」と語っているよ。

岡部騎手は、近代競馬において武豊騎手と双璧をなす名手だから、この言葉はものすごく重みのある言葉だよ。

隙を見せないレース運びは「絶対」とまで評された

このダービーこそ差し切りと言える競馬だったけど、普段のシンボリルドルフはいわゆる「好位差し」という王道競馬をしていたんだ。

「王道競馬」ですか?

うん。スタートを決めて、良いポジションを取り、4角周ったあたりで早めに抜け出す。一番不利を受けにくく、勝ちやすい競馬とされているレースぶりだね。

そのような「勝つために一番合理的な戦法」をシンボリルドルフは完璧にこなせるタイプの馬だったんだ。

その隙の無いレースぶりと圧倒的強さを評して、後に調教師の野平氏は「競馬に絶対はないが、ルドルフには絶対がある。」と語るくらいだったんだよ。

調教師さんにそこまで言わしめるというのはすごい馬だったんですね。

ダービーのあとシンボリルドルフはどうなったんですか?

その後、シンボリルドルフは当然のように無敗で三冠を達成すると、その年の有馬記念も制覇。

古馬になった翌年も天皇賞春、ジャパンカップ、有馬記念を制し、「七冠」を達成。

翌年は海外遠征をしたけれど、初戦のレース中に怪我をしてそのまま引退したよ。

種牡馬になってからは無敗の二冠馬トウカイテイオーを筆頭に、アイルトンシンボリ、ツルマルツヨシ等数々の重賞ウイナーを輩出したよ。

何と言うか、隙の無い一生ですね。

だからこそ、先述のような「高貴なエリート像」が確立されたんだろうね。この俺っちのように。

もう!最後の一言ですべてが台無しです!!

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