世界は僕らの手の中~タイキシャトル~
こんちわ~す。館山速人で~す。
アシスタントの大澄晴香です。先日はは競馬界に悲しいニュースがありましたね。
タイキシャトルやローズキングダム等多くの鬣が何者かによって切り取られた事件だね。
ファン心理としては「好きな馬の身につけているものを手にしたい」という欲望それ自体は理解できなくもないんだけど、いい大人なんだからそこは「理性」が勝たないと人間としてダメだろうね。欲望のまま好き勝手するなんて獣の発想だから。
一部には「メルカリに出品しているのでは?」という噂もありますが?
うーん。そうなると、怒りとかよりも悲しくなってくるよね。何と言うか、「盗品」を簡単に売れるような仕組みがあるっていうのが怖いなと言うか、「これでいいのか?」と思うところはあるよね。
これで世間的にこれらの馬がにわかに注目を集めていますね。
うーん。そこなんだけど、正直競馬ファンとしては歯がゆい思いなんだよね。
と言いますと?
ニュースとかでは「名馬の鬣が切られ~」って紹介してるけど、そんな簡単に表されるような馬ではないからね!
特にタイキシャトルの方は、海外G1も制し、年度代表馬どころか、顕彰馬にも選ばれた名馬どころか大名馬だからね!
という事で、今回は「ウマ娘」にも登場する名馬紹介として「タイキシャトル」を紹介していくよ。
早い話が便乗では?
まぁ、タイキシャトルが勝ったスプリンターズステークスも近いし、このニュースを見て改めてタイキシャトルのレースぶりを見て、テンションが上がっちゃったから勢いに任せて書いちゃおうってのもある。
あぁ、夜中にラーメンの番組見てたらラーメンが食べたくなるあれみたいなもんですか?
どっちかって言うとそれだね。
では、今回もマチカネフクキタルの時のように、館山さん独自のキャラ設定をしていくという事ですか?
うん。今回のキャラ付けは、
◆世界を股にかける美形トリリンガル
◆どんな困難にも屈しない精神力
ってところかな。
世界を股にかける美形トリリンガル
「世界を股にかける美形トリリンガル」ですか……。何かいけ好かない設定ですね。
まぁ、晴香ちゃんとは正反対だろうからねぇ。
何でですか!ぶちのめしますよ!!
ごめんなさい。私が悪かったです。<(_ _)>
………、それで、中身の話をしてくださいよ。
うん。タイキシャトルはいわゆる「マル外」というやつで、アメリカで産まれた外国産馬。それが日本にやってきて国内G1を4勝。ヨーロッパ遠征に出て日本馬にとって悲願の海外G1制覇も果たした、いわば世界を飛び回る「デキるやつ」って感じだね。
………、やっぱりいけ好かないですね。
………、しかもタイキシャトルは金色に輝くような美しい栗毛で容姿端麗。人間にしたら文句のつけようのないタイプだろうね。
…………、それで、さっき「海外G1制覇」って言ってましたけど、それってそんなに凄いことなんですか?
当たり前でしょ!!日本競馬って言うのは、タイキシャトルが現れる10年くらい前まではジャパンCを勝つのも一苦労していた時代で、海外G1なんて雲の上という正解だったんだ。それが、栗東の調教コースに坂路が出来たり、サンデーサイレンスを導入したり、その他関係者の不断の努力のおかげで、ジャパンカップでもコンスタントに結果を残すようになり、いよいよ手が届いた海外G1だからね!そりゃ感慨深いものだよ。
でも、あんなに何でもそろっている上に「日本初の海外G1制覇を成し遂げた馬」なんて言う肩書きまで付いたら、もういよいよいけ好かなくなってきます。
………、いやね、実は「海外G1初制覇」を成し遂げた馬はタイキシャトルじゃないんだよ。
えっ……⁉どういうことですか?
実はタイキシャトルと同時期にシーキングザパールという馬も同じように海外に遠征していて、タイキシャトルより1週間早く、海外G1を優勝していたんだ。
だから、「日本馬初の海外G1制覇を成し遂げた馬」はシーキングザパールであって、タイキシャトルではないんだよ。
…………、なぜだか急にタイキシャトルが愛おしくなってきました。
どういうことやねん。( `ー´)ノ
どんな困難にも屈しない精神力
タイキシャトルの凄いところは、あらゆる条件を苦にせず自分の力を出し切る馬だったよ。
あらゆる条件と言いますと?
まず、タイキシャトルって世間的には「芝のマイラー」って言うイメージが強いと思うけど、3歳の頃はダートでも3勝を挙げ、中には重賞であるユニコーンSも含まれている。
芝・ダート兼用だったわけですね。
そうそう。ユニコーンSではその後ダート重賞の常連となるオースミジェットやワシントンカラー相手に2馬身半の差をつけて勝っているから、ダートでもG1級の能力を持っていただろうね。
さらにタイキシャトルは大雨が降った不良馬場も苦にしない。
98年の安田記念は、映像を見てもわかる通り、降りしきる雨の中不良馬場で行われ、勝ちタイムが1.37.5。
どの馬もゴール前は消耗しきって脚が上がってしまいそうな悪コンディションの中、タイキシャトルだけはそんな馬場をものともせずに、力強く、悠々と抜け出してきた。まさに「王者の走り」だったね。
実況の中に「夢は世界へ飛び立つか!」とありますね。
この時は、それこそ「ここを勝って海外に挑戦する」というのが決まってたからね。もちろん強いのはわかってたけど、この圧巻のレースぶりを見て、海外への「期待」が「確信」に変わった気がするよ。
日本馬がいよいよ世界を制する時が来た!!
って。
その後、タイキシャトルは先述の通り、遠征の不利もものともせずに海外G1を勝利すると、今度は3カ月の休養を挟んでマイルCSの連覇に挑んだんだけど、実はこの時は俺っちは親父と現地に見に行ったんだよ。
へぇ~、そうなんですか!!
で、馬体重が524キロと発表されたときはびっくりしたんだよ。なんせ安田記念を勝った時より14キロ体重が増えてたからね。
海外で美味しいものでも食べたんですかね。
まさか。でも、見た目にも太く見えたし、当時は俺っちもクソ生意気なガキだったから「これタイキシャトル負けるんちゃうん」って思ってみてたんだ。
そんな俺っちの予感は見事外れ、直線だけで5馬身ちぎっての大楽勝!
改めて「うわぁ~。この馬強ぇ~なぁ~。」と思ったレースだったよ。
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