俺っち最初の「未完の大器」~(俺は)名馬(だと思う)物語

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。今日は「名馬物語」シリーズの最新作です。

今日紹介する馬は何という馬ですか?

今日紹介するのは

ベストタイアップ

という馬だよ。

この馬は俺っちが競馬を見始めて一番最初に出会った「未完の大器」と言うべき馬だよ。

大きな可能性を感じさせたその末脚

未完の大器。

”現在は荒削りで足りないところも多いが、将来的にすばらしい存在になる器量を持っていると見込まれている人、あるいは才能の片鱗をうかがわせているが、現在まだ大成するには至っていない人などを意味する表現。”

などと辞書には記載されている。

競馬界にも「未完の大器」と呼ばれる馬はこれまで数多存在し、G1を複数回勝つなど本当に「名馬」と呼ばれる馬になったもの、ケガや気性面が災いし「未完」のまま引退を余儀なくされたもの様々だ。

ベストタイアップはそんな「未完の大器」の中でも、俺っちが一番最初に「あっ、この馬はいずれG1を勝つんだろうな」と言うくらい「衝撃」を受けた「未完の大器」である。

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ベストタイアップは1992年、社台ファームに生まれた牡馬。

父は名種牡馬ノーザンテーストの血を受け継ぐアンバーシャダイ。自身も有馬記念や天皇賞春を制した名馬であり、産駒から宝塚記念を勝ったメジロライアンを輩出するなど種牡馬としても確かな地位を築いていた。

母ミスタイモアからは90年の京成杯勝ち馬ノーモアスピーディが出ており、当時の基準で言えば「良血馬」の部類に入るのではなかろうか。関係者の期待もそれ相応のモノがあったに違いない。

しかし、デビュー直後は思うように結果が上がらなかった。

その一つの原因とされたのがパドックで常にチャカついていたと言われる気性面。確かに筆者の思い出のベストタイアップも、気性面が大人になるであろう古馬になってからも常に鶴首の印象があるし、トレーディングカードの構図がそうだったからなのかもしれないけれど、目つきが相当きつかった印象がある。(違う馬と勘違いしてるかもしれないけど……)

それでも、現年齢表記で3歳の秋になるとある程度気性が制御できるようになったのか、10月の500万戦を皮切りに中山金杯まで4連勝。中山金杯は当時としては破格の自身の上がり3F33.7を記録しての勝利だった。

ところが、4歳の勝利はこの1勝でとどまることになる。厩舎の僚馬に中距離路線で中心となることが期待されていたジェニュインがいた事、ベストタイアップの血統が長距離にも十分対応できそうな背景を持っていたこともあってか、春は長距離路線を進み結果をあげることは出来なかった。

秋からは再び中距離路線に舵を取り、毎日王冠5着、天皇賞秋6着、キャピタルS2着と善戦はするもののあと一歩届かないレースが続いた。

迎えた明け5歳。始動戦は前年初重賞制覇を飾った中山金杯となった。

このレースでもベストタイアップはいつものように後方からレースを進める。4コーナーでも先頭とは5馬身以上の差が開いており直線の短い中山ではなかなかに厳しい展開。

テレビカメラが激しい先頭争いをアップで映す。プレストシンボリとシルクグレイッシュの叩き合い。

差し馬を映すべくカメラの画角が広がったその瞬間、先頭と2馬身差まで詰め寄ってきたベストタイアップが映し出される。その間わずか10秒足らず。そのままベストタイアップは先頭に立つと、ゴールした時には後続に1馬身半の差をつけていた。

元々俺っちが競馬にどっぷりとハマるきっかけになったのはサクラチトセオーが天皇賞秋で魅せた大外一気の末脚。それに勝るとも劣らない力強い末脚は、俺っちの心をひきつけた。

続く東京新聞杯でもその末脚は炸裂する。このレースもまた後方からレースを進めると、直線は馬群の間をぶち抜いて2連勝。上がり3Fは33.9。当時は今振り返ってみても上がり3F33秒台なんて簡単に出せるものではなくこの馬の末脚の破壊力を表しているように思う。

俺っちは当然「あぁ、この馬はきっとすごい馬になるんだろうなぁ。」と幼心に思っていた。のだが………。

東京新聞杯の直後に足元に故障が発覚。その後、G1を勝つどころかレースに出走することもなく、その年からの種牡馬入りが決定した。

種牡馬となってからは、JRAの重賞を勝つような馬は出せなかったものの、エンプレス杯やスパーキングレディーカップを制したジーナフォンテンを輩出。そして時は現代、そのジーナフォンテンの子であるカジノフォンテン(父カジノドライヴ)が2019年10月から南関東でいずれも2着馬に2秒以上の差をつける圧勝で3連勝を飾り、モジアナフレイバー、ヒカリオーソ、ミューチャリーに並ぶ地方競馬期待の星として注目を集めている。

ベストタイアップが成し遂げられなかったG1制覇をこのカジノフォンテンに期待してみたいところだ。

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