マイラーでも上位に来れる流れ~高松宮記念回顧~

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。今日は高松宮記念の回顧です。

時計&ラップタイム&総評

勝ちタイム:1.08.7 ラップタイム:12.1-10.8-11.3-11.4-11.2-11.9 前半3F-後半3F:34.2-34.5

大方の予想通りモズスーパーフレアがハナを主張。後続を離しての逃げだったが、前半3Fは34.2と馬場を考慮してもそこまで速くない。

直線に入って粘りこみをはかるモズスーパーフレアに外からクリノガウディー、ダイアトニックが迫る。ここでクリノガウディーが内にささった影響でダイアトニックの進路がカットされる形に。

最後の最後、大外からグランアレグリアが飛んできて4頭横並びの大接戦に。

写真判定の結果1着はクリノガウディーと掲示板に上がったが、その後クリノガウディーは進路妨害により4着に降着。モズスーパーフレアが繰り上がり1着となった。

無観客が勿体なく感じる大接戦

それにしても館山さん。高松宮記念は見ごたえのある大接戦でしたね。

そうだね。こんな見応えのあるレースはG1と言えどもなかなかないよ。ダイナカールが勝ったオークスや、トゥザヴィクトリーが勝ったエリザベス女王杯を思わせる大接戦。これでお客さんがいたら最高だったんだけど……。

その点に関しては本当に残念ですよね。

さて、そのレースはクリノガウディーが1着入線を果たしましたが、進路妨害により4着に降着。モズスーパーフレアが繰り上がり1着で初G1制覇を飾りました。

モズスーパーフレア-グランアレグリアの組み合わせはともかく、クリノガウディー-モズスーパーフレアの組み合わせはなかなか買えないよなぁ~。ガンガンのスプリンターと、マイラータイプで戦前は「スプリントは明らかに短いだろう」と思われてた馬の決着だからね。

その2頭の好走要因に思い当たることはありますか?

馬場の影響もあるだろうけど、前半3Fが34.2、後半3Fが34.5と1200m戦にしてはそこまで前傾にならずにスローペースになったのが大きいと思うよ。モズスーパーフレアは楽に逃げられたし、クリノガウディーに関しては「テンのダッシュに置いて行かれない基礎スピード勝負」にならなかったおかげで、マイラー寄りのこの馬には流れが向いたんだと思うよ。

やはり館山さんはクリノガウディーについてはマイラーだとお考えですか?

うん。例えば秋のスプリンターズSでテンの3Fが33秒台前半とかになって、今日と同じような走りが出来るとは考えない方が良い。むしろ馬券的妙味なら安田記念の方が狙うのには良いだろうね。この日の伸び脚を見ても末脚はG1でも通用しそうだし。

モズスーパーフレアについてはいかがでしょう。

今日のレースを見る限り抑えが効くようになって安定感が増したように見えるね。これまでは「ガンガン行くだけ行く、後のことは知らん」って感じの逃げだったけど。

とは言え、さすがにこの馬に関しては「1200mの馬」という認識で良いと思う。

ヴィクトリアマイルでは買わないと決めていたグランアレグリア。だが……、

2着のグランアレグリアについてはいかがでしょう。

この馬については微妙なんだよね。流れがあっていたと言えなくもないんだけど、もっと速いペースなら届いてた気もするし……。

あとこの好走で厄介なのが「次のヴィクトリアマイルでどうするか」なんだよね。グランアレグリアはここでの成績に関わらずヴィクトリアマイルでは買わないでおこうと思ってたから。

ヴィクトリアマイルのグランアレグリアと言えば結構な人気になることが予想されますよね。なぜ買わないと思ったんですか?

俺っちの印象ではこの馬は「気」で走るタイプで、過去いたタイキシャトルやロードカナロアと言った短距離の名馬と違って「1200mなら1200mの1600mなら1600mの走りが出来る」ような器用なタイプに見えなかった。

だから、一度スプリントの流れで競馬をしてしまうと、次にマイルで走った時にそのペースで走ってしまって折り合いが効かなかったり、暴走してしまったりして直線の伸びを欠くという事が起こり得るんじゃないかと思ったんだよね。

だけど今回のレースは先にも言った通りそれほど”スプリント質”のレースにならなかったから、次にマイルを走ってもそれほど戸惑いなく走れるんじゃないかなぁという気がする。だから扱いに困るなと。

敗れた人気馬の敗因や如何に⁉

このレースでは上位人気馬の大敗も目につきました。

モズアスコットに関しては、流れ的には来てもおかしくない流れだったと思うけど、オーストラリア遠征を取りやめての強行軍だったから調整の問題もあったのかなと思う。それに元々この馬、芝では驚くほど淡泊に負けることもあるから大敗してもそれほど不思議ではないけどね。

ただ、ダノンスマッシュタワーオブロンドンについてはよくわからないと言うのが本音。ダノンスマッシュについてはスタート直後に若干躓くような素振りもあるんだけどね。

ひとつ考えられるとしたらペース的な事かなぁ~?2頭とも前走はオーシャンSを走ってるんだけどそのレースのテンの3Fは33.2だから今回より1秒速い。このペースの違いに戸惑った面は大きかったのかもしれないね。

まとめ

1着 モズスーパーフレア

◆34.2-34.5とゆったり行けたことが最大の勝因

◆「ガンガン行く馬」から「溜め逃げ」が出来るようになったのは大きな収穫。レースに合わせて使い分けていけば引き続き今後のスプリント路線で期待できる。

2着 グランアレグリア

◆正直この流れが奏功したのか、それとも仇になったのかは微妙だがこのペースだから2着と言うのは確かだと思う。

◆「気」で走る不器用な馬のイメージで、次走1600mになると危険。と思ったが、今回のレースはペース的にはマイル質の競馬。ヴィクトリアマイルでは悩ましい存在。

4着 クリノガウディー

◆ペースが落ち着いたことで最も恩恵を受けたであろう馬がこの馬。

◆前半3Fが33秒台前半、何だったら32秒台に突入するようなレースに対する耐性は示せていないので、このレースで好走したことを根拠にスプリンターズSで推すのはリスキー。

◆G1でも通用する破壊力を見せたので、むしろ安田記念でこそ要注意の馬。

10着 ダノンスマッシュ

◆馬場も展開もある程度幅広くこなせると思っていたので、この敗戦は正直不可解。

◆敢えて言うのであれば前哨戦であるオーシャンSとのペースの違いに戸惑ったことくらいか。

12着 タワーオブロンドン

◆この馬に関しても1400m実績があるのでこのペースにも対応できると思うのだが……。

◆ダノンスマッシュと同様ペースの違いに戸惑った可能性はあるが、そもそもオーシャンSから出来が上がってきていなかったのかもしれない。

13着 モズアスコット

◆オーストラリアの遠征を断念して強行軍でここに挑んできただけにこの結果もやむなしか。