思い出のG1~NHKマイルカップ編~ 2010年
競馬を愛する皆様、お元気ですか。館山速人です。
今週はG1NHKマイルカップが開催されるということで、私の思い出に残るNHKマイルカップについて書いてみたいと思います。
さて、皆様は「最強世代」と言われて思い出す世代というのはどの世代でしょうか?
スペシャルウィークやエルコンドルパサー、グラスワンダーが名を連ねる、1998年クラシック世代でしょうか?
それとも、今年、競馬界を席巻している2018年クラシック世代でしょうか?
私は2001年クラシック世代(アグネスタキオンやクロフネがいた世代ですね)が最強だと思っています。
そして、この今日紹介する2010年クラシック世代も、当時「最強なのでは」と評判になるほどレベルの高い世代でした。
2歳王者ローズキングダム、皐月賞馬ヴィクトワールピサ、無敗の青葉賞馬ペルーサ、名牝エアグルーヴが産んだ大器ルーラーシップなど錚々たる顔ぶれがダービーへの出走を予定していました。
このNHKマイルカップにも強豪が押し寄せ、極上の切れ味を持ったダノンシャンティ、前哨戦のニュージーランドトロフィーで不利と言われる大外枠から他馬をねじ伏せたサンライズプリンス、デビュー2戦の勝ち方が鮮やかだった骨折休養明け3戦目のリルダヴァルなど多士済々なメンバーがそろっていました。
レースは快足エーシンダックマンが半マイル44.8というハイペースで先行、2番手をサンライズプリンス、コスモセンサー、キングレオポルドがぴったりとつけ、リルダヴァルは中段、ダノンシャンティは後方からのレース。
直線、サンライズプリンスが一足先に抜け出す中、中段からリルダヴァルとダイワバーバリアンが追い上げる。3頭のたたき合いになるかというところ、大外からダノンシャンティの末脚一閃。見事な差しきりで快勝。タイムは当時の日本レコードとなる1.31.4という破格のもの。馬券はサンライズプリンス、リルダヴァルの2頭軸だったので外しましたが、
3戦連続最速上がりの強烈な末脚は、明らかに府中向きと思わせたダノンシャンティ
骨折から復帰3戦で本調子を取り戻しはじめた3着リルダヴァル
日本レコードが出るようなハイペースを自分から動いて4着まで粘り、「負けて強し」を誰しもに印象付けたサンライズプリンス
はダービー参戦を表明しており、馬券が外れた悔しさよりも「皐月賞組にトライアル組、そしてこのNHKマイルカップ組が加わるダービーは、いったいどんなレースになるんだろう」という、これまでに感じたことのないワクワクがあり、これ以降もこの時を超える「ワクワク感」はいまだに味わえていないというのが本音です。
ただ、この厳しいレースをした反動か、ダノンシャンティとサンライズプリンスは怪我が原因でどちらもダービーを走ることはできず、リルダヴァルも12着と結果を残すことが出来ませんでした。サンライズプリンスとダノンシャンティが出走できないとわかった時(ダノンシャンティに至っては前日での出走取消)の喪失感も大きかったのを覚えています。
思えばこのころから「極端な高速馬場は故障を誘発するのではないか」という論調が生まれてきたような気がします。そういう意味でも、印象に残るNHKマイルカップでした。