「2度観たくなる」理由~TENET感想~

こんちわ~す。館山速人で~す。

今日は今話題の映画「TENET」の感想ブログを書きたいと思います。ただ、俺っちは映画に関しては玄人っぽいことは言えません。ただ、一応感想なのでそれ(玄人)っぽいことを言おうとして頑張ってみたので、そこは甘めにご覧いただければと思います<(_ _)>。

「2度観たくなる」その理由

この映画を見終わった俺っちの感想、そしてTwitterでも多くの人が呟いている感想が「もう一度観てぇ~」と言うものでした。

俺っちが観に行った日は「ファーストデイ」による割引料金で観ることが出来ましたが、普段だったら1800円は払わないと観れません。同じ映画を2回も観るなんてそんな贅沢な話はないと考えるのが普通です。

でも、多くの人はこの作品を「二度(いや、それ以上と言う人もいるかもしれない)観たい」と言う人が相当数います。それはなぜなのでしょうか。

俺っちは映画を見るときの「視点」について大きく分けて「人物視点」と「神様視点」があると思っています。

「人物視点」は文字通り登場人物の主観で物語が進んでいくイメージ。対して「神様視点」は複数の人物の主観であったり、客観的事実を映し出すように俯瞰で物事を捉えるイメージです。

この「TENET」と言う作品は基本的には主人公「名もなき男」の視点でストーリーが進んでいきます。「時間が逆行する」と言う荒唐無稽な話を聞かされ、それを自身が体感し、受け入れ、大局的に見れば人類を救う戦いに身を投じていく。そういう「名もなき男」の物語を描いた映画と言えると思います。

ただ、ここに「時間の逆行」と言う要素を加えたことで因果関係が複雑な箇所がたくさん出てきます。主人公でも物語のクライマックスまで黒幕の正体がつかめなかったように(これも正確には人から聞いた話だけなので確証をもって正解とは言い切れません)、主人公でも「あの時起こったことの真相はどういう事だったんだろう」と釈然としない部分もあると思います。

それを観客は確かめたくて、今度は「神様視点」で観たくなるのかなぁと思います。

もっと具体的に言うと一昨年ヒットした映画「カメラを止めるな」は、前半で「とある『ゾンビ映画』を見てる視聴者目線」で話を追った後、後半で「それを撮影する人々の視線」で同じシーンを展開することで、視聴者の視点からだけではわからない面白さがわかるような仕組みになっています。この「TENET」ではその「前半部分」だけを映画にしたイメージです。だからこそ「もう1回観て理解したい」と知的好奇心をくすぐる映画になっています。

小難しさだけでなくエンタメ性も兼ね備えた良作

こういう説明をすると少なからず「そんな映画面白いのかよ」と思う人もいると思うんですが、それが面白いんですよ。

こういう設定がややこしい映画にありがちな「頭でっかちな作品」に全然なっていなくて、アクションシーンとしての見どころも人間ドラマとしての見せ場もしっかりと詰め込まれていてエンターテインメントとしても十分に満足度の高いものになっていると思います。

俺っちが特に印象に残っているシーンは主人公たちのチームが敵からあるものを奪うために大型トラックやら消防車やらを使った作戦を実行するシーン。時間の逆行とか関係なく「えっ、これどうやってとったんやろう」と言う迫力満点なシーン。それを上から空撮しているところジオラマとかミニカーで子供がやっちゃうような遊びを実際に撮影しましたと言う感じで壮観でした。

その後に出てくるカーチェイスのシーンも「ジョジョの奇妙な冒険第6部」で主人公の空条徐倫一向がケープカナベラルに向かう途中、プッチ神父の能力で「重力の最上位点がプッチ神父」になってあらゆるものがプッチ神父から遠ざかっていくシーンを、車に乗りながらそのまま実写化したような映像で迫力満点(伝わるのか?この表現?)。

※余談ですが、この「時間の逆行」をもとにしたアクションってジョジョっぽいなぁ~と個人的に思ったので、ジョジョ(特に第6部)が好きな人は面白い!と思うんじゃないでしょうか。

人間ドラマの面白さも、主人公が任務途中で知り合う女性への思い、その女性の家族に対する思い、主人公の相棒であるニールの仲間への思いなど様々な「愛」が描かれていて、決して単純なアクション映画、難解な頭でっかち映画の枠に留まっていません。知的好奇心を刺激するだけでなく娯楽要素も豊富な作品です。

俺っちは友達が少ないので一人でこの映画を観たんですが、皆様にはこの映画「複数人で行く」ことをお勧めします。お互いの感想を言い合って「あぁでもない、こうでもない」と話すのには最適な映画だと思いますし、盛り上がること間違いなしです。また、複数回の視聴もお勧めします。俺っちも最低あと1回はDVDで逐次一時停止を押して登場人物の行動をメモに取りながら観たいなと思っています(`・ω・´)b。

この映画に関して言えば「無知は武器」

この映画の途中頻繁に出てくるセリフ「無知は武器」。これは未来人と闘う主人公たちが自分たちの行動を”読まれない”ために敢えて目的などを秘匿にすることを差してこういうセリフが出てくるのですが、この映画に関しては観客も同じ「無知は武器」だと思います。最初はあれこれ考えずに流れに身を任せながらこの映画を観てください。それでも十二分に楽しめる映画だと思いますし、それで「あれ、あのシーンどうやったんやろ」と気になるところがあったら、パンフレットを買ったり再度見たりして考えていけば良いと思います(`・ω・´)b。