中山マイルの「罠」⁉~中山牝馬S回顧~
こんちわ~す。館山速人で~す。
アシスタントの大澄晴香です。今日は土曜日の中山牝馬Sの回顧を行ってまいります。
時計&ラップタイム&総評
勝ちタイム:1.50.2 ラップタイム:12.7-12.0-12.3-11.8-11.6-12.2-12.3-13.3 前半4F-後半4F:49.0-49.4
雪が降りしきる悪天候の中のレース。
戦前はモルフェオルフェとコントラチェックの逃げ争いが予想されたが、蓋を開けてみるとモルフェオルフェが単騎で逃げ、コントラチェックは番手での追走となった。
3コーナーから4コーナー辺りまでは大きな出入りの淡々とした流れでレースが進む。
直線に入ると2番手から4角先頭で抜け出しをはかる恵量50キロのリュヌルージュと団野騎手だったが、外から道中馬群の中で脚を溜めていたフェアリーポルカが力強く伸びてこれを交わし差し切り勝ち。
2着はそのままリュヌルージュが粘りこみ。3着はエスポワールとデンコウアンジュの叩きあい。雪が邪魔ですな写真判定の中僅かにエスポワールが3着確保。2番人気のコントラチェックは直線失速。まさかの殿負けとなった。
ヴィクトリアマイルには繋がらなそうだけどこういうレースがあってもいい
しかし凄い雪の中行われたレースでしたね。
全く、3月半ばになって何でこんな雪降るねん……。
そんな厳しい環境のレースを制したのはフェアリーポルカでした。
道中はじっと内で我慢して、4コーナーでスッと外に出した和田竜二騎手の好騎乗だったね。それにこの馬にとって緩急が少なく上がりのかかる耐久力を要するレースは合ってたんだろうね。
ヴィクトリアマイルに向けてはどうでしょう?
うーん。「このレースの結果とヴィクトリアマイルの期待値が直結するか」と言われたら微妙な所と言わざるを得ないね。春の東京はこの日の馬場とは全く違う、かなり特殊な高速馬場になるだろうからね。
フェアリーポルカも2ターンの高速決着は適性外だろうし、ちょっと厳しい感じがする。
ただ、なんて言うか今の競馬って高速馬場適性のある馬に優位する気がするんだよね。だからこういう耐久力に優れたパワー型の馬にもっと活躍の舞台があっても良いんじゃないかとは思うね。
そう言う意味では2着のリュヌルージュもこのタイプ。この馬の場合は50キロの斤量の恩恵も大きかっただろうけどね。
中山マイルを激走すると反動が大きい?
2番人気のコントラチェックはまさかの殿負けとなってしまったわけですが……。
逃げられないと脆い面があるのもある程度事実だろうし、「雪を食べようとしていた」なんて話がまことしやかにささやかれていたりするけれど、個人的には前走の反動なんじゃないかと思ってるんだよね。
「前走の反動」ですか?
うん。コントラチェックは前走のターコイズSを逃げ切っているんだけど、同じレースには京成杯AHの覇者でそれ以来のレースとなったトロワゼトワルも出走していて殿負けを喫している。
つまり「同じ中山マイル重賞の勝ち馬」がこの短期間に2頭も「次走で殿負けを喫している」ことになる。しかもどちらも重賞を勝った舞台と同じ中山競馬場で。これを「たまたま」で片づけるのは無理があるように思うんだよね。
そこには何か理由があるという事ですか?
そう。で、トロワゼトワルとコントラチェックが勝った中山マイルの重賞を見てみると、どちらも前半4Fが46秒を切るようなハイペースでの逃げ切り勝ちなんだよね。
この1200mみたいなペースで逃げた上に、中山競馬場の最後の直線は心臓破りの坂がある。つまり全精力を使い切り、次走以降に反動が出てもおかしくないと考えられる。
つまり、トロワゼトワルとコントラチェックの2頭は「前走中山のマイル戦をハイペースで逃げ切った事」が負担になって次走の大敗につながったと館山さんは考えられるわけですね。
その通り。だから、日曜日の東風Sを勝ったストーミーシーの次走も気になるんだよね。
この馬が走ったのは重賞じゃないし、逃げたわけでもないけれど、重馬場で前半4F45.6のハイペースを先行して勝ち切る競馬をしているわけだから、反動が出ても不思議じゃないと思う。
だからダービー卿CTではこの馬を軽視する方向で予想を組み立てたいと思うよ。
まとめ
1着 フェアリーポルカ
◆和田騎手の好騎乗も冴えたが緩急が少なく上がりがかかるパワー型馬場の高い適性を示した。
◆能力以前に適性のあるレースがG1にないのは残念。さすがに大阪杯とかだと厳しいだろうし……。
◆福島牝馬S、マーメイドS、クイーンSあたりに適性あり
2着 リュヌルージュ
◆適性としてはフェアリーポルカと似ているが、この馬の方がパワー寄りのイメージ。
◆50キロの斤量に恵まれた面もあるが、同じようなパワー型O型コースならもう1回穴を開ける可能性あり。
16着 コントラチェック
◆逃げることが出来なかったにしても、殿負けは負け過ぎ。
◆ターコイズSをハイペースで逃げ切った反動があったのかも。