館山速人の映画の窓~ラヂオの時間~

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。今日は一体どんな競馬の話を聞かせてくれるんですか?

いや、今日は競馬じゃなくて映画の話をしようと思ってるんだ。

館山さんが映画ですか?また急にどうして?

最近コロナウイルスの影響で「外出を自粛しろ」って声が多いじゃない。でも、俺っちは他人にそんなことを命令できるほど偉い人間ではないし、他人が「コロナウイルスに罹らないように」なんて心配を強くするほど優しくもない。

じゃあ何ができるかって考えた時に、

外出しなくても楽しいことはあるよ!

って言う事をアピールすることだと思うんだよね。他人が上から目線で注意されなくても、自然に「家にいよっかな」って思えるようにしたいっていう感じだね。

元々Twitterも「楽しいことを共有したい」って言う思いから始めたわけだし、折角「家にいること」が推奨されているなんだし、このタイミングで「家にいて楽しめること」をどんどんアピールしようかなと思って。

それで映画を紹介されるわけですか。

そうそう。今の時代、古い映画ならある程度アマゾンプライムやネットフリックスを使って自宅にいながら簡単に楽しめるようになったし、俺っちも一時期映画にハマって数多く見たから、本当の映画好きの人ほどじゃないけど、「人にオススメできる作品」を何本か紹介で気もするからね。

それに映画ならアフィリエイトからアマプラの視聴やDVDの購入もできるし、そういう人が増えてくれば俺っちの懐も潤うし……。

何か言いました?

いや、何でもないよ。

で、今日は何の映画を紹介して下さるんですか?

今日紹介するのは

ラヂオの時間

という映画だよ。

あらすじ……生放送のラジオドラマを控え、緊張気味のスタジオ。初めて書いた脚本が採用された主婦のみやこも、直前のリハーサルを見学していた。そんな中、突然主演の人気女優が設定を変えたいと文句を言い始める。困り果てたプロデューサーは、みやこに脚本の書き直しを依頼。だが他の出演者も口々に不満を漏らしはじめ、メロドラマだった物語は次第にアクションへと変貌してゆく。(以上、yahoo映画の解説・あらすじより引用)

三谷監督の脚本と豪華俳優陣の演技力によって「想像力」をかきたたせる登場人物

この映画は「古畑任三郎」の脚本家としても知られる三谷幸喜さんの映画初監督作品なんだけど、すごいなと思うのが登場人物の作りこみだと思う。これは俳優さんたちの演技力に依るところも大きいと思うけどね。

登場人物の作りこみ、ですか?

そう。登場して短時間で「あぁ、この人物ってこういう人なんだろうなぁ」っていうイメージがつけやすくて、そのイメージ通りに行動してくれるから見ていて楽しいし、その人物が覚悟を決めて本来と違う行動をとったりすると見てるこっちも「おぉ」となってしまったりするよ。

例えば、この映画には西村雅彦さん演じる牛島というプロデューサーが登場するんだけど、登場してさほど時間が経たないうちに「あぁ、この人はきっとア〇ヒ芸能とか週刊実〇を喜んで読んでるようなタイプの人なんやろうなぁ」とか感じとれるんだよ。

そう思うと、ちょっと他人の恋愛事情、夫婦事情が絡んでくるような話になるとそれを後ろの方でニヤニヤ聞いてたりする。「やっぱりあんたそう言う人やったんか!!」ってなってこっちまでニヤニヤとした笑いがこみ上げてくる感じ。

もちろんこの牛島プロデューサーだけじゃなくて、

ワガママ言いたい放題の落ち目の高飛車女優(ちなみに名前は「千本のっこ」)とか、その高飛車女優のワガママを苦々しく思い、どこかで一矢報いてやろうと思っている重鎮俳優(その「一矢報いる」がとんでもない所で炸裂します。( ´艸`))とか、何でもできるけど出たがりでちょっとかなりうざい放送作家とか、高飛車女優にずっとヘコヘコしてる編成部長(エンディングテーマの最後の最後でとんでもない爆弾を落としていきます。( ´艸`))とか、みんなの個性がハッキリと描かれているコメディらしい作品だよ。

根っからの悪人は一人もいない平和なコメディ

中々”あく”の強そうな登場人物ですね。

そうだね。でも数多くの登場人物がいる中で「根っからの悪人」って言うのはただの一人もいないんだよね。だから、多くの人が誰かしらに感情移入できると思うし、こういう状況でも十分に楽しめるコメディだと思うよ。

実際、俺っちがこの映画を始めてみたのは2011年の東北地震の直後。気分が落ち込んでいる時でもこの映画は自然と笑顔になれたんだよね。

それくらい「幸せに笑わせてくれる」作品だと思うよ。

館山さんが感情移入した登場人物っているんですか?

梶原善さん演じる効果マンがカッコよく感じたかなぁ~。とにかく寡黙に、目立ちはしないんだけど裏方として淡々と仕事をこなす感じが「渋いな」って思った。

こういう作品は自分の「理想の人物像」や「仕事像」を見つめなおすきっかけにもなる気がするから、この機会にぜひ見て欲しい作品だよ。