キズナ産駒は意外とパワー型⁉~フラワーC回顧~

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。今回のブログでは先週の土曜日に行われた重賞フラワーCを回顧していきたいと思います。

時計&ラップタイム&総評

勝ちタイム:1.48.2 ラップタイム:12.6-11.5-11.7-11.8-11.6-12.1-12.5-11.8-12.6 前半4F‐後半4F:47.6-49.0

ナリノクリスティーが先手を取る展開。テンの2F目から4F11秒台が続く息の入らない流れ。

4コーナーで終始2番手につけていたアブレイズが先頭に出ると、4角で外を回したレッドルレーヴの追撃を振り切って押し切る。アブレイズはデビュー2連勝。キズナ産駒はJRA重賞4勝目となった。

アブレイズはいかにも中山向きのイメージ

勝ったのはキャリア1戦でこのレースに挑んだアブレイズでした。

ハイペースで先行して、自身も最後は12.5-11.8-12.6だから脚を余しているわけではないと思うんだけど、後続に脚をなし崩し的に使わせて押し切るという。いかにも「中山巧者」って感じのレースぶりだったね。

これで桜花賞に向けて賞金も足りる立場となりましたが、本番ではどうでしょう?

うーん。何と言うか、この馬の場合コントラチェックとかにイメージが近くて、コーナー2回とか長い直線とか高速馬場とかよりもコーナー4回で短い直線のパワー型馬場の方が合っている印象なんだよね。

これで2連勝になるけど、2勝とも上がりに11秒台前半はないことから「スパート後の最高速」に関しては未知の部分も多いし、過去5年の桜花賞で上がり3Fに11秒台前半が出なかったのは稍重で行われた17年だけだから、良馬場だと適性的にちょっと苦しい、重馬場でワンチャンと言うイメージだね。

これでキズナ産駒は4頭目のJRA重賞勝利馬を輩出したことになりますが、館山さんはキズナ産駒にどういう印象を持たれていますか?

父であるディープインパクトに比べると、思った以上にパワー型に寄ってるなという印象。これまでのJRA重賞の勝利内訳を見ても中山が2勝、洋芝の函館が1勝、阪神が1勝だしね。

実際に東京、中山、京都、阪神の主要4場の芝コースでの勝率を見比べてみても、ディープインパクトが1位京都15.4%、2位阪神14.6%、3位東京14.5%、4位中山13.7%なのに対し、キズナの方は1位中山16.7%、2位阪神12.2%、3位京都11.1%、4位東京5.7%と明らかにディープより中山適性が高い。

こうしてみるとやけに東京での勝率が低いですね。

まぁ、現状父であるディープインパクトを筆頭にロードカナロアやキングカメハメハと言った「キレ」を売りにする種牡馬は多数いるから、その辺りと比べると切れ味は見劣るのかもしれない。勝利数3に比べて2着数は7と勝ち切れていないことから見てもね。

この数字を見て何となく納得できたのが京成杯のクリスタルブラック。あの差し切りは何かディープっぽさを感じないなぁと思ったんだけど、あの差し切りはどっちかと言うと1999年若葉Sのマイネルプラチナム(父サンシャインフォーエヴァー)とか2003年フラワーCのマイネヌーヴェル(父ブライアンズタイム)っぽくて、ディープと言うよりロベルトなんだよ。

だから、案外切れ味がいるような東京の馬場では今後も苦戦するかもよ。

不利を被った馬多数で着順をアテにしてはいけないレース⁉

2着のレッドルレーヴについてはどうですか?

3コーナーから4コーナーにかけてコーナーでだいぶ外に膨れていた……、と言うより進路を獲るために無理に外に出そうとしたって言う方が正しい感じで、ちょっと負担の大きい競馬だった気がする。

その時に11着だったアミークスは体をぶつけられてるし、9着だったフラワリングナイトは必要以上に外を周らされてる。6着のミアマンテもレッドルレーヴが外に出した時に少し外に膨らされているし、その直後には少しでもインを突こうとしたフラワリングナイトに前をカットされている。

直線では内で7着のポレンティアと12着のショウナンハレルヤが騎手同士あとでケンカなるんちゃうかってくらい激しくぶつかってショウナンハレルヤが下がる格好になっていたし、不利があった馬は結構な数いると思うから、正直着順を鵜呑みにしてはいけないレースかなって思う。

まとめ

1着 アブレイズ

◆ハイペースで先行して後続を潰す強い競馬。

◆切れ味タイプと言うよりパワータイプと言う印象で桜花賞、オークスのような時計の速い高速馬場はやや適性から外れる気がする。

2着 レッドルレーヴ

◆基礎スピードがあり、ハイペースになっても後半まで脚を残すことが出来る馬。

◆今回は4角で少しごちゃつくところがあり、着順が変わっていたかはともかくスムーズであれば……、という気もする。

6着 ミアマンテ

◆4角で若干躓く不利あり。その前もコーナーで外に振られておりかなりロスの多い競馬をしている。

◆それでも最後は差があるとはいえ6着まで巻き返しており力は示したレース。これで人気が落ちるようなら次走は絶好の狙い目になるかも。

7着 ポレンティア

◆直線で接触の不利あり。ただ脚があったかは微妙。掲示板なら狙えたと思う。

9着 フラワリングナイト

◆4コーナーで外に寄られる不利あり。ただ、これより大きな不利を受けた馬もいるので着順としては不利がなくても大きな変動はなかったかもしれない。

11着 アミークス

◆4コーナーで内からぶつけられる不利あり。それまでの手応えは悪くなかったので、スムーズであればもう少し上の着順は期待できた。

12着 ショウナンハレルヤ

◆直線で前をカットされる不利あり。着順はノーカウントで構わないが、馬が精神的ダメージを負ってないかが心配。