距離よりペースの経験が大事~オークス予想~

こんちわ~す。館山速人で~す。

アシスタントの大澄晴香です。今回は牝馬クラシックの第2弾オークスの予想をお願いします。

過去5年時計&ラップタイム

2019年:ラヴズオンリーユー:2.22.8 12.5-10.9-11.7-11.9-12.1-12.2-12.3-12.2-11.7-11.4-11.6-12.3(良) 71.3-71.5(47.0-48.8-47.0)

2018年:アーモンドアイ:2.23.8 12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6(良) 71.8-72.0(47.6-48.9-47.3)

2017年:ソウルスターリング:2.24.1 12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6 74-69.9(49.7-48.7-45.7)

2016年:シンハライト:2.25.0 12.3-10.7-12.1-12.3-12.4-12.5-12.9-12.6-12.7-11.4-11.5-11.6(良) 72.3-72.7(47.4-50.4-47.2)

2015年:ミッキークイーン:2.25.0 12.5-10.6-12.5-13.0-12.7-12.6-12.5-11.9-11.9-11.3-11.6-11.9(良) 73.9-71.1(48.6-49.7-46.7)

※見方…年度:勝ち馬:勝ちタイム ラップタイム(馬場) 前半6F‐後半6F(前4F-中4F-後4F)

☆傾向

2017年を境にやや傾向が変わっている印象。2017より前(2016年まで)は中盤4Fが49秒より遅く、極端にペースが緩む印象があったが、2017年以降は中盤の緩みん幅が小さくなっている。1Fが12秒台後半になるようなラップも2017年以降は極端に減っており、「緩急に対応する力」よりも「ペースを維持する耐久力」の方が重要になってきている印象。少なくとも「スローの上がり勝負しか経験してません」と言うタイプは厳しい

今年の牝馬クラシックはデアリングタクトと心中

オークスの予想ですが、館山さんの本命はやはり4デアリングタクトですか?

もちろんそうよ。エルフィンSが終わった直後から「今年の牝馬クラシックはこの馬で決まり」って言い続けてきたからね。

繰り返しになりますがこの馬に注目したポイントを改めて説明願います。

エルフィンSの勝ちタイム1.33.6は同レースをウオッカが勝った時よりも0.1秒速い優秀な時計。それだけでなく、過去30年のエルフィンSを遡ってみても1分34秒を切る勝ち時計はこの馬とウオッカのみ。1分35秒に範囲を広げて見てもマルセリーナとサンヴィクトワールがいるだけで突出度と言う意味でも抜けていた。

前走の桜花賞にしたって馬場が荒れて前残りの展開になるだけで一頭だけ力強く伸びてきた。この馬は歴史的名牝になれる器だと信じているし、とうの前からこの馬と心中する覚悟は決まっているよ。

「距離」よりも「ペース」の経験を重視したい

本命デアリングタクトは「言わずもがな」と言う事でしたが、相手はどの馬にいたしましょう?

近3年のオークスを見ていると高速馬場の影響もあるのか道中に1F12.5を超えるような”緩い”ラップが本当に見られなくなった。特に近2年は前後半で分けた時に前半の方が速い、いわゆる「前傾ラップ」になっているし、最初の1Fを除く道中に12.5以上のラップが1Fたりとも無い耐久力・持続力を問われるレースになっている。そうなると個人的には「距離経験」よりもむしろ「ペース経験」の方が生きると思うんだよね。

「ペース経験」ですか?

そう。端的に言うと2000m前後の距離を中心に使われているけど残り600mくらいから急にペースが上がるような、いわゆる「上がり勝負」のレースしかしていない馬より、1600mまでしか距離経験はなくとも12.5以上のラップが一度も出ないような緩みのないラップを経験している馬の方を優位としたいってとこかな。

そうなると浮上して来るのは17マルターズディオサ10ミヤマザクラ。2頭とも前半4Fが48秒を切る淀みない流れでマイル重賞を勝っている。

マルターズディオサはチューリップ賞で道中に12.5以上のラップが出てこないという点でも優秀だし、勝ったレースは全て「最初の1F以外12.5以上のラップが無い」「上がり3Fに11.5を切るラップが2F以上持続している」と言う点を満たしていて高速馬場の適性はバッチリ。

緩みのないペースになったここ2年のオークス連対馬4頭の内3頭がストームキャットの血を持っていたことも同じ血を持つこの馬にとって好材料。

桜花賞の敗戦と距離不安からか人気が大きく落ちているが、東京の高速馬場を走る今回は性質が大きく異なる前走の馬場で大敗したことは度外視できるし、距離よりペースを重視する俺っちの予想にとって「距離不安説」はさして気にならない。そもそも俺っちは「キズナ長距離血統説」を唱えているし「距離不安説」自体にも懐疑的。この人気なら「黙って買い」の一頭だよ。

対するミヤマザクラの方は血統的に「距離が伸びてどんとこい」と評価される馬。それもそのはず兄にはポポカテペトルやボスジラと言った長距離を主戦場として活躍する馬がズラリ。

この馬に関してはマイル重賞で前半4F45秒台と言うハイペースを先行して押し切れるスピードもあるし、今の馬場を考えるとこのペースで先行して踏ん張れると言うのは大きなアドバンテージ。

早めに逃げ馬を射程に入れる競馬をすればあれよあれよと勝ち切ってしまう可能性も捨てきれないよ。

2連勝のデゼルはペースに対応できるか否かがカギ

スイートピーSを見事に差し切り一躍注目を浴びる存在になった1デゼルについてはいかがでしょう?

確かにあのスイートピーSは今年のクラシック世代では東京スポーツ杯2歳Sのコントレイル、エルフィンSのデアリングタクトと並ぶくらい鮮烈な勝ち方だったと思う。

ただ気になるのは挙げた2つのレースと違って時計的な裏付けがないこと。そりゃ上がりは速いけど道中は12秒後半のラップが3F続くほど落ち着いた流れだったから、「スパートしてからの最高速度」は証明できたけど、ハイペースになった時の「耐久力」やペースが早めに上がった時の「持続力」はまだ未知数。

そんな不安を一蹴するほどのポテンシャルを秘めている可能性もあるけれど、「淀みない流れ」前提で予想する今回はやや評価を下げたよ。それでも印をつけざるを得ないくらい前走の「インパクト」は凄かったけど。

他の印をつけた馬に関しては「印」の段落で、今回は印をつけなかった他の馬も「全馬診断」の段落でコメントしてるからそれも読んでもらえると嬉しいな。

◎4デアリングタクト

〇17マルターズディオサ

▲10ミヤマザクラ

△1デゼル

✕2クラヴァシュドール

「緩みのないレース経験」と言う意味ではこの馬もサウジアラビアロイヤルカップ、阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞とコンスタントに好走を続けており不安はない。

ただ、桜花賞の権利が微妙だったことからチューリップ賞である程度仕上げていたであろうことを考えると、有力馬の中ではオークスにむけた「お釣り」が一番小さいであろうことは明らかだし、阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞で先着を許しているマルターズディオサとの人気差を考えると馬券的妙味は薄いと思う。

☆16ウインマリリン

フローラSは最初の1Fとラスト4F目の12.5が最も遅いラップで「淀みない流れの経験ん」と言う意味ではこの馬も十分合格点。この馬の場合「距離経験」も併せ持っているのは心強い。

3勝はいずれも上がり3Fに11秒台前半が出てこないパワー寄りのレースだったので耐久力ラップになりつつも上がりは速くなる高速馬場特有のラップに対応できるかがポイント。

全馬診断

1デゼル

2連勝のデゼルはペースに対応できるか否かがカギ」の段落を参照

2クラヴァシュドール

」の段落を参照

3アブレイズ

ハイペースで逃げ切ったフラワーカップの内容は濃い。ただ、過去2走ともやや荒れ気味の馬場での好走でパワーに能力の比重が寄った馬という印象。高速馬場の適性は疑問符が付く。重馬場になれば絶対に買い。

4デアリングタクト

今年の牝馬クラシックはデアリングタクトと心中」の段落を参照。

5ホウオウピースフル

フローラSで淀みない流れを2着。ウインマリリンとは違ってこの馬は百日草特別で「速い上がりの競馬」でも好走しているので上がりに11秒台前半が出て来ても対う出来るスピードがありそう。こう書いているうちにウインマリリンよりこっちの方が良さそうな気がしたので印を変えるかも(笑)。買い目を絞るより確実に当てるためには買い目を広げるのもありと言う考え方の人は買っておいた方が良いと思う。

6リアアメリア

過去2勝はいずれも1.5秒以上の後傾ラップで淀みない流れに不安残す。とは言え、アルテミスSの頃は「来年の牝馬クラシックはこの馬で決まり」と言われた逸材。オッズ的には一番の「買い時」かも。(自分が買うかは別にして。)

7ウインマイティー

2連勝はいずれも前半4F50秒台と言う緩い流れ。ペースの対応力に疑問符がつくし、父ゴールドシップと言う点から見ても「高速馬場」が合うとも思えない。(とは言え、そんな血統論者の考えをあざ笑うように激走してしまいそうなのがゴルシの血だけど……。)

8スマイルカナ

「淀みない流れでの好走経験」ならこの馬も十分に当てはまるタイプだが………。何となくこの馬は「パワー型」「(コーナーリングでスッと加速できる点で)小回り向き」の印象が強く東京2400m似合うイメージが浮かばない。NHKマイルカップに出てきたら買えたのだけど……。

9インターミッション

過去3回の馬券圏内はいずれも中山競馬場で東京競馬の適性に疑問符。レース内容からも「東京競馬場がプラスになる」と言う要素は見てとれない。

10ミヤマザクラ

「距離」よりも「ペース」の経験を重視したい」の段落を参照。

11リリーピュアハート

今回の予想のテーマである「距離よりペースの経験」の正反対を行く馬。すなわち「距離経験はあるけれどもいずれもスローの上がり勝負」と言うタイプ。こう言うタイプは中途半端に穴人気するので個人的には一番リスキーだと感じる。ここは敬遠したい。

12マジックキャッスル

ミヤマザクラが勝ったクイーンCの2着馬。ただこの馬は後方から突っ込んできたタイプでやや展開利も感じさせる。これを書いている時点で単勝が50倍以上つくので買い目に余裕がある方は入れておいても良い馬だと思う。

13ウーマンズハート

新潟2連勝はドスローの上がり勝負。近走は前半のペースに慣れずに苦戦している印象。ペースに慣れさえすれば一発あってもおかしくない。少なくとも単勝が80倍もつくような馬ではないと思う。(自分が買うかは別にして。)

14フィオリキアリ

個人的にはマイルよりもっと短い距離が合っている印象。1勝クラス以上ではやや時計のかかる馬場で好走していることから、高速馬場適性も疑問符。

15チェーンオブラブ

この馬もフィオリキアリ同様、最も短い距離の方が合っていそう。1400mとか。

16ウインマリリン

」の段落を参照

17マルターズディオサ

「距離」よりも「ペース」の経験を重視したい」の段落を参照。

18サンクテュエール

過去の好走は全て前半4Fが48秒以上の緩い流れ。ペースの対応力に疑問符。単勝オッズも20倍台で(能力差はさほどないと感じる)マルターズディオサ、マジックキャッスルの50倍台と比べるとオッズ的な妙味も少ない。

買い目

馬連(流し):4-10,17

3連複(フォーメーション):4-10,17-10,17,1,2,16

3連単(フォーメーション):4→10,17→10,17,1,2,16

自信度はどれくらいでしょう?

デアリングタクトに関しては☆☆☆なんだけど、ヒモはもしかするとタテ目を食らいそうな気もするから☆☆と言うとこかな。

※自信度の目安

☆☆☆…家宝を質に入れてでも買うってくらい自信あり。どーんと大勝負。

☆☆…それなりの自信度。大勝負はしないけど、ちゃんと馬券を買い忘れないようにしたい。

☆…あんまり自信なし。場合によっては撤退(見)も視野に入れる。